有効求人倍率 昨年末に公表された11月分は1.56倍

有効求人倍率

 昨年はより一層人手不足が深刻化した1年となりましたが、昨年末に公表された昨年11月の有効求人倍率は1.56倍という結果となりました。2016年11月に、バブル絶頂の1990年7月に記録した1.46倍を超えた後も、右肩上がりで上昇を続け、遂にはこの水準まで来ています。

 上のグラフを見ると良く分かりますが、リーマンショックにより史上最悪を記録した2009年8月の0.42倍から、文字通りのV字回復をして、ここまで来ています。高度経済成長期ピークである1973年11月の1.93倍まではまだまだありますが、労働力人口の減少もあり、当面この状況は続くことでしょう。

 今回のこの人手不足が難しいのは、中期的にはAIやロボットの活用により、雇用が減少するという見込みがあることでしょう。金融機関を中心にRPAの活用による大規模な人員削減計画が公表されるなど、その兆候は既に出てきています。今度はそうした技術の積極的な導入を進めると共に、社員の雇用が単純に奪われることがないよう、自立的キャリア形成に向けた意識改革や学び直しの教育なども重要なテーマとなって来るでしょう。


参考リンク
厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年11月分)について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000188816.html

(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。