平成32年4月以降 大企業の社会保険手続きは電子申請での実施が義務に
社会保険の手続きは、以前より電子申請で行うことが推進されてきました。先日、公表された平成28年度の実績においても大津ブログで取り上げたとおり、電子申請によるものが着実に増加していました。
これに関連し、昨日、厚生労働省より行政手続の簡素化として、「基本計画 (平成30年3月改定版)」が公開されました。社会保険手続きについては、「行政手続の電子化の徹底(デジタル フアースト)」「同じ情報は一度だけ(ワンスオンリー)」「書式・様式の統一(ワンストップ)」の三原則に沿って見直しを行うこととされています。具体的には、社会保険等の手続について、3年間(一部5年間)で対策が実施されることになっており、社会保険等の手続全体として手続コスト20%の削減が目指されることになっています。
その具体的対策が、電子申請の義務化であり、以下のように、大企業の社会保険手続きを電子申請で実施することを義務化するところから始められることになっています。
例えば厚生年金保険の届出において、紙媒体、CD・DVD及び電子申請のいずれかを選択できる仕組みとなっていることが、電子申請推進の阻害要因となっているため、大法人の事業所(資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人並びに相互会社、投資法人及び特定目的会社に係る適用事業所をいう。以下同じ。)については、原則、紙媒体及びCD・DVDによらず電子申請を義務化する。社会保険労務士又は社会保険労務士法人が、大法人の事業所に代わって手続を行う場合も同様とする。実施に当たっては、速やかに切り替えられる事業所から順次切り替えを行い、平成32年4月1日以後に開始する当該大法人の事業所の事業年度又は年度から、電子申請により行うものとする。また、上記の義務化の要件に該当しない事業所についても、あわせて電子申請への移行を促すこととする。
なお、健保組合についても言及されており、電子申請移行への環境を提供する方策として、届書における本人署名等の省略、電子申請ガイドラインの策定、マイナポータル等を利用した電子申請環境の構築により、電子申請環境が整っていない健保組合への電子申請の導入を図るとされています。
他にも対策が掲げられていますが、今後、電子申請が義務化になることは、紙媒体等で届出を行っている企業にはとても影響が大きく、今から対応の検討を進めていく必要があるのでしょう。
参考リンク
厚生労働省「行政手続の簡素化」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kansoka/index.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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