勤務間インターバル制度の推進などが明記された過労死防止大綱の改定

過労死 先日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」3年振りの変更が、閣議決定されました。厚生労働省は、この新たな大綱に基づき、関係省庁等と連携しながら、過労死ゼロを目指し、様々な対策に取り組んでいくことになります。

 今回の新大綱のポイントは以下のとおりとなっています。
新たに「過労死等防止対策の数値目標」を立てて、変更前の大綱に定められた「週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下」など3分野の数値目標を改めて掲げるとともに、勤務間インターバル制度の周知や導入に関する数値目標など新たな3つの分野の数値目標を掲げた。
[数値目標]
・2020年までに、勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする。
・2020年までに、勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上とする。
「国が取り組む重点対策」において、労働行政機関等における対策を新たに項立てし、関係法令等に基づき重点的に取り組む対策として、下記3点などを明記した。
 (1)長時間労働の削減に向けた取組の徹底、
 (2)過重労働による健康障害の防止対策、
 (3)メンタルヘルス対策・ハラスメント対策
調査研究における重点業種等(過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種)として、自動車運転従事者、教職員、IT産業、外食産業、医療を引き続き対象とするとともに、近年の状況を踏まえ、建設業、メディア業界を追加したこと。また、上記重点業種等に加え、宿泊業等についての取組も記載した。
勤務間インターバル制度を推進するための取組や、若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への取組について新たに記載した。
職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントを包括的に「職場におけるハラスメント」として位置付け、その予防・解決のための取組を記載した。

 来春の法改正で努力義務化される勤務間インターバル制度の普及に力点が置かれた内容となっています。同制度は各種調査でも多くの企業で導入が検討されている傾向が見られますので、積極的に導入に向けた検討をされてはいかがでしょうか?


参考リンク
厚生労働省「「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000101654_00003.html

(大津章敬)

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