草食系の傾向が強く見られる来春入社の大学生が働きたい組織の特徴

大学生 企業の採用意欲は非常に高く、大学生の新卒採用に苦戦している人事担当者の声を多く耳にします。効果的な採用活動を行うためには、いまの大学生の気質を理解することも重要です。そこで本日は、株式会社リクルートキャリアが実施した大学生が働きたい組織の特徴の調査の結果を見てみることにしましょう。なお、この調査の対象はリクナビ2019会員の大学生4,943人となっています。

 この調査は、働きたい組織の特徴の項目において、2つの対立意見について自身の考えとして当てはまるものを、ひとつ回答させ、その回答率の差が集計されています。具体的には、以下のような設問がされ、その回答率の差を算出し、傾向を見ています。
 83.9% 仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる
 16.1% 仕事と私生活は区別なく、一体として働ける 
 回答率の差 83.9%-16.1%=67.8

 これによれば回答率の差が大きく、強い傾向が見られるものの上位10項目は以下のようになっています。
67.8 仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる
62.4 安定し、確実な事業成長を目指している
56.3 コミュニケーションが密で、一体感を求められる
54.9 入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々高い給与をもらえるようになる
49.7 周囲に優秀な人材が多く、刺激を受けられる
46.3 歴史や伝統がある企業である
44.6 どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく
44.6 ウェットな人間関係で、プライベートも仲が良い
41.8 個人の生活をサポートする制度(休暇制度や各種手当など)を充実させる代わりに、給与は低い
38.7 多くの人を巻き込んで行う仕事の割合が多い

 上位を見ると、ワークライフバランスが実現でき、業績が安定しており、一体感があり、年功的な給与体系の会社が支持を集めていることがわかります。いわゆる「草食系」な傾向が強く見られ、一般的な経営者の考えとはズレが発生していることに注意が必要です。


参考リンク
株式会社リクルートキャリア「働きたい組織の特徴(2019年卒)」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/20180815.pdf

(大津章敬)

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