専門部署設置により強化される厚生年金保険料の滞納整理

zu 厚生年金保険料は事業主負担分および被保険者分をあわせて、事業主が日本年金機構に納付することになりますが、様々な理由から厚生年金保険料等を納付期限までに納めない事業所が存在します。

 このような事業所には督促状が送付されるとともに、電話などによる納付督励が行われます。それでも督促状で指定した期限までに完納しない事業所もあり、日本年金機構は「滞納整理」として滞納保険料等を回収するための滞納処分に入ることがあります(※)。

 これに関し、日本年金機構は2018年10月から、滞納整理の強化を図ることを目的として、国税徴収法等に基づく滞納処分業務を専門的に実施する「特別徴収対策部」という部署を機構本部内に設置したとのことです。設置された部署は、日本年金機構が持っている使命、「厚生年金保険料等の徴収機関として、公平かつ公正な財源の確保を図ることで、将来にわたって安定した年金制度を維持し、国民一人ひとりの年金権を守ること」に基づき設置されたものです。

 この部署により今後、保険料の滞納が高額、長期化した事案について、より早期に滞納の解消を図が図られるように、年金事務所から事案を移管し、保険料等の自主的な納付が見込めない悪質なケースには、財産の差押え等の滞納処分が厳正に実施されます

 どの程度の基準で滞納整理が行われていくかは不明ですが、社会保険への適正加入、適正処理、そして適正な納付がより一層、重要になっています。

※事業所の実情によっては、分割納付による完納が認められ、早期に完納する場合は、指定した期限を過ぎても滞納処分が猶予されることもあります。


参考リンク
日本年金機構「日本年金機構からのお知らせ 平成30年11月」
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/oshirase/20140627.files/zenkoku.pdf


(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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