パワハラについても防止に向けた具体的措置の実施が義務化へ

ハラスメント いまや労働トラブルの主役は解雇ではなく、いじめ・嫌がらせといったハラスメントとなっている時代。当社にも多くの企業からハラスメントに関する研修の依頼を受けていますが、最近はそのご依頼の件数も増加の一途を辿っています。このように特に中堅以上の企業では既に対策が進められていますが、これに追随するように法律による職場のパワーハラスメント防止対策の強化が計画されています。

 先日開催された厚生労働省 第13回労働政策審議会雇用環境・均等分科会では、「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について(報告書案)」が示され、以下の方向性が明らかになりました。
職場のパワーハラスメントの定義
 以下の3つの要素を満たすものを職場のパワーハラスメントとする。
(1)優越的な関係に基づく
(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
(3)労働者の就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)
 その上で、職場のパワーハラスメントの典型的な類型、パワーハラスメントに該当する例、該当しない例を示すとしています。

事業主が講ずべき措置等の具体的内容について

 以下の具体的な措置の実施が求められるようです。
(1)事業主における、職場のパワーハラスメントがあってはならない旨の方針の明確化
(2)当該行為が確認された場合には厳正に対処する旨の方針
(3)その対処の内容についての就業規則等への規定
(4)それらの周知・啓発等の実施
(5)相談等に適切に対応するために必要な体制の整備(本人が萎縮するなどして相談を躊躇する例もあることに留意すべきこと)
(6)事後の迅速、適切な対応(相談者等からの丁寧な事実確認等)
(7)相談者・行為者等のプライバシーの保護等併せて講ずべき措置

 基本的にはこれまで男女雇用機会均等法や育児介護休業法によって、セクハラ・マタハラ対策として求められていた内容がパワハラにも適用される方向となりますので、それらを一体で考えた対策が求められることになるでしょう。なお、厚生労働省としてはこれから法律案をまとめ、2019年の通常国会で審議するとしていますので、施行は2020年4月頃が有力ではないかと思われます。現実に多くの職場で問題となっているテーマですので、法律の施行を待つのではなく、先行して対策を行うことが重要となります。


参考リンク
厚生労働省「第13回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02921.html

(大津章敬)

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