今後急速な進展が想定される社会保険・税手続きのワンストップ化
大企業の社会保険の手続きは2020年4月以降、原則として電子申請で行うことが義務化されます。このように各種手続きを電子化することにより、政府・民間双方にとって簡素化・効率化する動きが急速に進展しています。
特に社会保険・税の面では、ワンストップサービスが打ち出されており、3月下旬に首相官邸で開催された「第5回新戦略推進専門調査会デジタル・ガバメント分科会 第26回各府省情報化専任審議官等連絡会議 合同会議」では、フェーズ1:2020年11月頃から順次、マイナポータルを通じたオンライン・ワンストップ化を開始、フェーズ2:2021年度後半以降から順次、企業が保有する情報のクラウドを活用した提出の実現を目指す(フェーズ2)、という2つのフェーズを打ちだし具体化に向けて動き出しています。この会議資料で示されている各フェーズは以下のとおりです。
【フェーズ1 オンライン・ワンストップ化の実現イメージ】
企業から年金事務所、医療保険者、ハローワーク、税務署、地方公共団体の税務部局に対して提出される申請・届出について、従業員の採用、退職等のライフイベントごとに、マイナポータルのAPIを利用して複数手続を一括送信。
マイナポータルは、手続ごとにデータを生成し、各行政機関等に送信。
具体の対象手続や利用要件の詳細は、デジタル行政推進法に基づく情報システム整備計画や主務省令に規定を検討。
【フェーズ2 クラウドを活用した提出の実現イメージ】
企業がクラウドを利用した提出を行う旨を、原則として、事前に提出を行う行政機関等に対して承認を申請。
承認があったときはクラウドに記録される当該提出データへのアクセス権を付与。
クラウドへの記録と同時に提出データを記録した旨の通知。(※とが同時になされることも想定。)
マイナポータルは、クラウドから送信される上記通知等を行政機関等に送信。
具体の対象手続や利用要件の詳細は、デジタル行政推進法に基づく情報システム整備計画や主務省令に規定を検討。まずは、企業に提出データの保管義務があり、国民の権利義務関係に直接の影響のない申請等から順次対象を拡大。
行政機関等による処分通知等への活用も検討。
既にオンライン・ワンストップ化の対象手続案一覧も、参考資料として公開されており、医師の証明等がいる手続き等を除き社会保険の基本的な手続きの多くが対象として含まれています。今後、社会保険手続き等では激変の時期が訪れることは間違いありません。
参考リンク
首相官邸「第5回新戦略推進専門調査会デジタル・ガバメント分科会 第26回各府省情報化専任審議官等連絡会議 合同会議」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai5/gijisidai.html?fbclid=IwAR28ZyQ7n9pU3EXo5o7ujBz7f_ncjx9Zsz5FGPEGuF9FwnvH826UjJJAcTc
(宮武貴美)
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