JR東海 定年の65歳への引き上げと50歳代の賃金カーブ見直しを発表
大企業においては来春(2020年4月1日)に同一労働同一賃金にかかる法改正が行われることから、各社の人事制度改革の動きが見え始めています。そんな中、JR東海は2019年6月27日に、定年の65歳への引き上げと50歳代の賃金カーブ見直しを2020年4月1日より実施することを発表しました。
以下ではそのポイントを同社のニュースリリースから確認していきましょう。
制度改革の理由
東海道新幹線・在来線の鉄道事業および関連事業の維持・発展や中央新幹線の建設・運営による事業領域の拡大、昨今の少子化の進展に伴う採用環境の変化等を踏まえ、60歳以降の業務経験豊富な社員が、蓄積した技術や経験を生かし、活き活きと、より長く活躍できるような環境を創る。
実施内容
・定年を現在の60歳から65歳に延長する。
・その際、50歳以降60歳までの基本給の上昇を緩やかにする一方で、60歳以降も社員として雇用を継続し、現行制度の専任社員(定年退職後に再雇用を希望した社員)と比較して60歳以降の基本給を引き上げる。
・実施日は2020年4月1日で、対象者は実施日時点で50歳以下の社員
なお、この制度改革は各組合に提案し、東海旅客鉄道労働組合等と妥結済ということですので、来春には新制度の導入が行われることになります。ポイントとしては、同一労働同一賃金の観点から、60歳以降の社員の賃金水準の引き上げを行うにあたり、50歳代の賃金カーブを抑制したところにあるでしょう。また定年を65歳に延長するという代償措置を取り入れることで、労働組合の同意を得たということではないかと思われます。
今後、こうした事例は多く出てくると思われますので、引き続きチェックしていくようにしましょう。
参考リンク
東海旅客鉄道株式会社「定年の延長について」
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039685.pdf
(大津章敬)
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