産休期間中の社会保険料免除は2014年4月施行となりました
ここのところ、育児休業に関する内容を説明してきた大熊。今日は先日、施行期日が具体的に決まった産前産後休業期間の社会保険料免除の取扱いを説明するために宮田を訪ねた。
大熊社労士:
こんにちは、大熊です。
福島さん:
あら、大熊先生、いらっしゃいませ。
大熊社労士:
おっ、今日は福島さんが来る日だったのですね。お会いできて嬉しいです。特に今日は福島さんにもお聞き頂きたい情報をお持ちしましたので、タイミングとしてはちょうど良かったです。
宮田部長:
大熊先生、お待たせしました。
大熊社労士:
宮田部長、いつもお世話になっております。今日は以前お話しした産前産後休業期間中の社会保険料の免除についてお話ししようと思っていました。
b2012年10月1日「産前産後休業中の社会保険料が免除になると聞きました」
https://roumu.com/archives/65579463.html
宮田部長:
確か、いつから開始になるか決まっていないってやつですよね。
大熊社労士:
はい、そうです。
福島さん:
え~っと、私も少しだけネットで情報を見たのですが、現在、育児休業期間中、健康保険料・厚生年金保険料が免除になっているものが、今後、産前産後休業期間中もこれらが免除になるという改正のことですか?
大熊社労士:
そうか、福島さんは既にお休みされていましたもんね。私が言いたかったことは、福島さんがほとんど言ってくれました。で、その施行期日が、平成26年4月1日に決定したのです。
福島さん:
私の出産が1年くらい遅かったら、免除になっていたんですね。
宮田部長:
惜しいっ!
福島さん:
宮田部長、「惜しいっ」とか言ってないで、ちゃんとメモしておいてくださいね。それで大熊先生、産前産後休業期間中というお話なのですが、やはり月単位での免除になるのですよね?
大熊社労士:
はい、おっしゃる通りです。まだ、日本年金機構等より詳細の案内がありませんが、条文を確認すると「産前産後休業を開始した日の属する月」から「産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間」となっていますので、月単位になりますね。
宮田部長:
今回の改正で、会社としては何か手続きをしなくてはならないのですか?福島さんに指摘される前に聞いておこう・・・。
大熊社労士:
良いご質問ですね!この免除は申出を行ったときに適用されるのですが、この申し出は出産する人の所属する事業主が行うことになっているため、会社は産前産後休業に入る人に対し免除の手続きを案内することになるのでしょうね。
宮田部長:
じゃ、忘れないようにしなくっちゃなりませんね。
福島さん:
う~ん、大熊先生、産前の出産以前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)ですよね。その期間は希望すれば働くことができるじゃないですか。働いて報酬がある場合でも免除になるのですか?
大熊社労士:
さすが、質問が鋭いですね。これに関して、厚生労働省がまとめている資料(※)では、「産前6週間(多胎妊娠の場合14週間)、産後8週間のうち、被保険者が労務に従事しなかった期間」となっているため、働いている場合は免除にならないと私は解釈しています。ただ、引き継ぎのために数日出勤するとか、年次有給休暇を取得している場合にはどうなるのかと言った細かな問題があると思うのですよね。
※公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/180-49.pdf
宮田部長:
確かに実際、育児休業中の福島さんにこうやって、たまに出勤してもらっている例もありますしね。
大熊社労士:
これについては、まだ確認不足の点がありますので、いつかお時間をとって説明できればと思います。
福島さん:
約1年先のことですもんね。来年には私も本格復帰するつもりですので、説明をお聞きすることを楽しみにしていますね!
大熊社労士:
はい、申出書の様式も公開されるでしょうから、併せてお持ちすることにしますね。
宮田部長:
1年先・・・福島さん復帰・・・ってことは私は忘れちゃっても問題なさそうですね!
福島さん:
宮田部長!私がいなくてあれほど困ったって仰っていたじゃないですか。しっかり勉強してくださいよ!
宮田部長:
は・・・はい・・・わかりました。
大熊社労士:
まぁ、まぁ。宮田部長も変わってきましたので、大丈夫ですよ。それでは、またお会いできる日を楽しみにしていますね。
福島さん:
はい!大熊先生の見える日には出社できたらいいなぁ、なんて思ったりしています。まぁ、なかなかうまくはいかないのでしょうけどね。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。今日は産前産後休業期間中の社会保険料免除について取り上げましたが、標準報酬月額の改定についても併せて実施されることになっています。これは産前産後休業終了後に育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が改定前のものとならないよう、産前産後休業終了後の3ヶ月間の報酬月額を基に、標準報酬月額を改定するというものです。既に育児休業終了時にで同様の制度がありますが、産前産後休業後にも同様の取扱いが拡大されました。こちらについても、またの機会に詳しく説明することにしましょう。
関連blog記事
2012年10月1日「産前産後休業中の社会保険料が免除になると聞きました」
https://roumu.com/archives/65579463.html
参考リンク
厚生労働省「第180回国会(常会)提出法律案」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/180.html
政府広報オンライン「産休期間中の保険料を免除します!」
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/201208/naniga/kettei.html#sankyukikanchu
(宮武貴美)
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