社員が健康保険証を汚してしまいました

 大熊が服部印刷に到着すると、宮田部長が困り顔で玄関で大熊を待っていた。


宮田部長宮田部長:
 大熊先生、聞いてくださいよ~。うちの社員で独身の男性がいるんですけどね。先日、健康保険被保険者証(健康保険証)を汚したって持ってきたのですよ。ほら、これ。
大熊社労士:
 これはひどいですね。記号番号が見えなくなっているじゃないですか。
宮田部長:
 そうなんですよ。本人いわく、財布に入れていて、出すたびに財布のふちでこすれて削れたんじゃないかとのことでした。独身男性はガサツで困りますね。
大熊社労士:
 独身男性にすごい偏見ですね(笑)。いずれにしても、健康保険証に書いてある内容は、医療機関等にとって非常に重要な内容ですので、再発行(再交付)の手続きをしたほうがよいですね。
宮田部長:
 え?無くしていないのに、再発行なんてできるのですか?私はてっきり、こちらで番号を調べてマジックで書いてあげるのかと思っていました。
大熊社労士:
 あはは!その方法だと楽でよいですね。健康保険証は身分証明書にもなるような大事なものですので、さすがにそれではまずいですよね。「き損」ということで届出をして再交付手続きをすることになります。
福島照美福島さん:
 確か、以前、退職する社員から健康保険証を回収できないときの手続きを教えていただいたかと思うのですが、そのときと同じように日本年金機構から協会けんぽへ連絡して、再交付してもらうという流れですか?
大熊社労士:
 とてもよい質問ですね。なんとなく、日本年金機構が管轄する業務のように見えますが、実はこの手続きは直接、協会けんぽが行うことになっています。ですので、申請書も協会けんぽで入手する必要がありますし、申請書の提出先を間違えると時間が余分にかかってしまうので、注意してくださいね。ちなみに、申請書は協会けんぽのホームページからダウンロードできますよ。
宮田部長:
 なるほど。あ、これ、中身を見ると「滅失・き損・その他」とあるので、健康保険証を無くしたときにも利用するのですね。
大熊社労士:
 そうなんです。「再交付」ですからね。無くした、汚した、また、プラスチックですので、割れたというような場合には再交付の申請をしてくださいね。
宮田部長:
 了解しました。
大熊社労士大熊社労士:
 ちなみに、従業員とそのご家族の方の健康保険証の場合には、申請書に本人の印鑑と事業主の印鑑が必要になり、会社を通じての手続きになります。だいたい提出から3営業日はかかるので、早めに処理をしてあげたいですね。
福島さん:
 では、早速私が記入して、本人のところに印鑑をもらいにいってきますね。
宮田部長:
 頼んだよ、福島さん。大熊先生、ありがとうございました。

>>>to be continued

[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス
 こんにちは、大熊です。今日は健康保険証の再交付について取り上げました。この再交付の申請を受け、新しい保険証が発行された後に無くした健康保険証が見つかった場合には、古い健康保険証を協会けんぽに返却することになっています。


関連blog記事
2014年3月31日「退職の際、健康保険証はいつまで使うことができるのですか?」
https://roumu.com/archives/65652865.html

参考リンク
協会けんぽ「健康保険被保険者証再交付申請書」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat290/r57

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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