知り合いの会社に労働基準監督署の調査が入りました!
大熊が宮田部長に挨拶をして、話を始めたところ、今回は服部社長がひょっこりやってきた。
宮田部長:
大熊先生、今日はそもそもの基本的なことについて確認してもよろしいですか?
大熊社労士:
もちろん。どのようなことですか?
宮田部長:
「労働基準監督署」ってなんですか?
大熊社労士:
ん?突拍子もない質問ですね。何かあったのですか?
服部社長:
大熊さん、こんにちは。宮田が突拍子もない質問をしてすみません。実は、私の友人が社長をする会社で労働基準監督署の調査が入ることになったのですが、そもそも、なぜ調査に来ることになったんだ?と話題が出たのです。
大熊社労士:
なるほど。
宮田部長:
その場面に私も居合わせまして、服部社長から、うちは調査を受けたことがあるかと問われ、あたふたしてしまったのです。
大熊社労士:
そういうことだったのですね。まず、この内容はよいかと思いますが、労働基準監督署は、厚生労働省の第一線の機関となっています。全国に321署あり、労働基準法に関する相談や、労災保険法に基づく給付事務、労働安全衛生法に基づく審査・指導等を行っています。その労働基準監督署の上部組織が、都道府県に1つある都道府県労働局となります。
宮田部長:
全国に321もあるんですね。結構多い感じですね。
大熊社労士:
確かにそうかも知れませんね。今回、ご友人の会社に調査が入るということでしたが、どのような調査ですか?
服部社長:
確か、労働条件に関する調査とか話していた気がするなぁ。その社長は、うちの従業員の誰かがタレこみでも行ったのかなぁ、なんて疑っていましたよ。
大熊社労士:
なるほど。確かに従業員からの申告案件という可能性もありますが、労働基準監督署の計画的な調査かも知れませんね。労働基準監督署の調査は、「臨検監督」(監督指導)といわれ、労働基準監督署が主体的、計画的に、対象事業上を選定し、調査するものと、労働者からの申告に基づき調査するものとがあります。あ、あとは、労働災害が発生したために調査を行うというものもありますね。
服部社長:
なるほど。調査が行われるからと言って、必ずしも従業員がタレこみを行ったというわけでもないのですね。
大熊社労士:
はい、そうです。私のほかのクライアントを見ても、そして、労働基準監督官と話をしても、定期的な調査に該当したということが多いですよ。
宮田部長:
で、その調査が行われると色々ヒアリングもされるのですよね。
大熊社労士:
そうですね。賃金台帳や労働者名簿といった帳簿の確認や、就業規則・36協定等の届出書類の内容と実態の確認が行われます。この段階で法違反等が認められた場合、「是正勧告書」や「指導票」といった文書指導が行われることが一般的です。
服部社長:
まずは文書で指導をし、企業への改善を促すのですね。
大熊社労士:
はい、そのとおりです。もちろん、重大な事案・悪質な事案がある場合には文書指導を飛び越して、送検されるなんてこともありえますけどね。
宮田部長:
そ・・送検ですか!?怖いですね。
大熊社労士:
そうですね。ですので、日ごろからの人事労務管理が重要であり、調査が実施されたときには、誠実な対応が必要となります。
服部社長:
確かにそれはいえるかも知れませんね。どんなことが指摘されているのか、お聞かせ願えませんか?
大熊社労士:
そうですね。次回は、過去の臨検監督状況を確認しながら、多い法違反等を見て行くことにしましょう。
服部社長:
お手数をおかけしますがよろしくお願いします。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。労働基準監督官は、司法警察員として、重大・悪質な労働基準関係法令違反の事案を送検する権利を持っています。この送検は、度重なる指導にもかかわわらず是正を行わないといった場合も含まれますので、誠実な対応は必須となります。
参考リンク
厚生労働省「労働基準監督署の役割 – 厚生労働省」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/131227-1.pdf
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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