「ねんきんネット」って何ができるのですか?
大熊が服部印刷に到着すると、宮田部長がボーっと考え事をしているような表情で待っていた。
宮田部長:
大熊先生、先日、自宅に「ねんきん定期便」が届きました。将来もらえる年金の額を見て、やっぱり、まだまだ服部印刷でご厄介にならないといけないなぁ、なんて思いましたよ。
大熊社労士:
宮田部長、お誕生日だったのですね。きちんとねんきん定期便を確認されるとは、さすがですね。
福島さん:
大熊先生、実は、私が部長にねんきん定期便を確認するように伝えたんですよ。私もこの前、ねんきん定期便を受け取って、自分の将来を考えたところだったんです。だから、部長にも「お誕生日が来ると送られてくるのでちゃんと見てみたほうがよいですよ~」ってお話していたのです。
大熊社労士:
なるほど、そうだったのですね(笑)。
宮田部長:
まぁ、それはいいとして、そこに「ねんきんネット」というのが書いてあったのですよね。パソコンやスマホで年金記録を見ることができるとか。便利なものなのですか?
大熊社労士:
私もねんきんネットを利用しているのですが、便利というよりも、公的年金に関する様々な情報がインターネットで確認できるようになっているので、安心という感じでしょうか。
宮田部長:
安心?
大熊社労士:
ええ。例えば、過去の年金の加入記録を見ることができますので、どの会社で加入し、標準報酬月額はどうだったかということがすぐに分かります。一覧を見ると、未納となっている期間についても一目瞭然なので、その記録がおかしいと思われるのであれば、問い合わせもできますね。
宮田部長:
なるほど。確かに今年送られてきたねんきん定期便は、なんだかすごくあっさりしていましたね。これまで加入していた月数とか記録されていましたが、標準報酬月額は過去1年くらいしか載っていなかったように思います。
大熊社労士:
そうですね。35歳、45歳そして59歳の方には、過去の記録すべてが記載されたねんきん定期便が届きますが、それ以外はかなり簡易なイメージですよね。そういう点では、ねんきんネットは役に立つと思いますよ。
福島さん:
確か、将来の年金額の試算もできましたよね?
大熊社労士:
そうです。現在の給与の状況が今後も続いたら、将来的な年金額がどうなるか試算できるほか、もう少し細かな条件を入力して試算することも可能です。って、福島さんも利用されていたのですね。
福島さん:
ええ、そうなんです。確か、今年の春にねんきんネットが350万IDを突破したとかいうときに、申し込みをしました。ちょうど先日、詳しく見ていて、届出書の作成なんてできるんだ!ってびっくりしていたところです。
宮田部長:
届出書?
福島さん:
国民年金の免除の申出書だとかありましたよ。私が提出しなければならない届出書はありませんでしたけどね。
大熊社労士:
そうですね。国民年金保険に関する届出書は多くありますが、厚生年金保険に関することは、会社を通じて届出するものがほとんどですから、届出書の作成は個人が利用するイメージが強いですね。
宮田部長:
へぇ、個人ってことは、私が年金をもらうときになったら、年金の請求書も作れたりするのですか?
大熊社労士:
はい、それも可能です。あぁ、そういう意味では便利といえるのかも知れませんね。ちなみに、住所や年金の受取口座を変えるときの届出書も作成できますので、ねんきんネットは、保険料を支払っている現役世代のみではなく、年金の受給者世代も使えるものですね。
宮田部長:
そうでしたか。であれば、私もパソコンの練習もかねてIDを発行してみようかな。
福島さん:
部長、頑張ってみてください!ちょうど、ねんきん定期便には「アクセスキー」というのが載っていて、比較的簡単にID発行ができますからね!
大熊社労士:
そうですね、是非、試してみてください。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。日本年金機構は個人情報の流出問題がありましたので、ねんきんネットへの不正アクセスがあったのではないかと心配する人もいるかも知れません。日本年金機構からの発表によるとねんきんネットへの不正アクセスは確認されていないとのことです。
参考リンク
日本年金機構「「ねんきんネット」をご利用ください。」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/n_net/index.jsp
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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