36協定未締結事業所に対する監督署の指導が強化されます

 働き方改革の中で、36協定の重要性が増している。大熊は、本日の面談ではその辺りの話をしようと考えていた。


大熊社労士:
 こんにちは 今日は社長がいらっしゃるのですね。
服部社長:
 はい、今日は同席させてもらいますよ。いや、先日ネットを見ていて気になった記事があったものですから。
大熊社労士:
 そうですか。それはどのような記事だったのですか?
服部社長:
 労働局が36協定の調査を民間に委託するといった内容だったのですが、これはどのようなものなのですか?
大熊社労士:
 なるほど、それでしたか。背景としては働き方改革で36協定の重要性が増しているということがあります。
宮田部長宮田部長:
 働き方改革ですか。最近はそのキーワードを本当によく耳にしますね。しかし、これまたなぜこのタイミングで36協定なのですか?
大熊社労士:
 36協定は労働時間管理の基本中の基本ですからね。特にいま国会で審議されている働き方改革関連法案の中心となっている労働時間の上限規制は結局は36協定の規制でもありますからね。法改正を前に、未締結の事業所に対する監督指導を強化しようというのは当然ではないかと思います。
服部社長:
 なるほど、そういうことなのですね。しかし、直接監督署が行えばよいのに民間に委託をするというのは、監督署も人手不足なのですか?
大熊社労士大熊社労士:
 そのとおりです。労働基準監督官の人数は少なく、十分に企業に対する指導を行うことができない状態にあると言われます。よって今回の民間委託では、7月より①労働条件自主点検表の送付と回収、集計分析、②相談指導の必要な事業場の選別と相談指導が主として行われます。
宮田部長:
 えっ、民間が36協定の指導を行うのですか?
大熊社労士:
 監督官が行う監督指導とは少し異なり、事業所の同意がある場合に集団またた個別訪問により相談指導を行うというものです。
宮田部長:
 なるほど。それだと現実的には断る事業所も多くなりそうですね。
大熊社労士:
 その可能性はありますね。ただ、労働局にはそうした事実も含めて実施状況が報告されますので、そうした事業所を中心に監督官による監督指導が重点的に行われるのではないでしょうか。
服部社長服部社長:
 民間によるアンケートの実施や相談指導によって、ある程度問題がありそうな事業所を絞り込んで、効果的に監督官が対応するということなのでしょうね。
大熊社労士:
 そうですね。ちなみにこの委託事業の入札の資料を見ると、自主点検結果報告書の提出のない事業場や労働基準法等に適合しないと認められる事業場が優先的に相談指導の対象となると記載されていますので、自主点検表が届いた際には、確実に提出し、また36協定の締結・届出が行われていないのであれば、早急に対応した方がよいでしょう。
服部社長:
 福島さん、うちは大丈夫だよね?
福島照美福島さん:
 はい、もちろん大丈夫です。36協定は基本中の基本ですから、きちんと対応していますよ。ただ、特別条項の実務運用など細かいところはまだまだ改善の余地があります。このあたりは大熊先生にもご相談しながら改善していきたいと思います。
大熊社労士:
 わかりました。特別条項の管理は今後重要になりますから、これから改善すべき点は改善していきましょう。

>>>to be continued


[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
大熊社労士のワンポイントアドバイス 
こんにちは、大熊です。今回は7月から実施される36協定未届事業場に対する相談指導事業について取り上げました。中小企業においては36協定の締結届出が行われていないことが少なくないというのが実情でしょう。36協定の重要性が高まる中、こうした指導も強化されますので、もし未締結となっている場合には早急に対応することが求められます。


 関連blog記事< /span>
2018年5月7日「7月に民間委託によりスタートする36協定未届事業場に対する相談指導事業の内容」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52150362.html

参考リンク
愛知労働局「【6/11開札】平成30年度36協定未届事業場に対する相談指導事業」
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/choutatsu_uriharai/nyusatsu/_121633/20180316_00004.html
東京労働局「入札情報 平成30年度 36協定未届事業場に対する相談指導事業」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/choutatsu_uriharai/nyusatsu/2017/kouji30_41_1_00001.html

(大津章敬)

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