今年の最低賃金の引き上げはどうなりそうですか?
今日は久し振りに服部社長から相談があるということで、大熊はそれを楽しみに服部印刷に向かった。
大熊社労士:
おはようございます。
服部社長:
おはようございます、大熊さん。朝早くからありがとうございます。この週末、台風の影響はありませんでしたか?
大熊社労士:
はい、それにしても東から西に移動する台風なんて、初めてでしたね。驚きました。
服部社長:
本当にそうですね。さてさて、今日のご相談というのは最低賃金のことです。ここ数年、大幅の引き上げが行われていると思いますが、今年はどうなるのかと思いまして。
大熊社労士:
なるほど、なるほど。まだ正式には決定していませんが、先日、厚生労働省より「平成30年度地域別最低賃金額改定の目安」が公表されました。引上げ額の目安は全国加重平均では昨年より1円高い26円となり、3年連続での大幅引き上げとなっています。
宮田部長:
そうなんですね。26円というのは非常に高いと思います。それで都道府県別の引き上げ額はどのようになっていますか?
大熊社労士:
はい、都道府県別の目安は以下のとおりとなっています。
Aランク 27円
東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉
Bランク 26円
京都、兵庫、静岡、三重、広島、滋賀、栃木、茨城、富山、長野、山梨
Cランク 25円
北海道、岐阜、福岡、奈良、群馬、石川、岡山、福井、新潟、和歌山、山口、宮城、香川、徳島
Dランク 23円
福島、島根、山形、愛媛、青森、岩手、秋田、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島、宮崎、沖縄
服部社長:
愛知県は27円ですから、このまま決まるとすれば、今年の最低賃金である871円+27円なので、898円ということですね。
大熊社労士:
はい、27円で確定すればそうなりますね。愛知県もいよいよ900円台目前ということになります。ちなみに東京は現在958円で、+27円ですから、985円になる見込みです。このペースで上昇すると来年には1,000円の大台に乗ることになりそうです。
福島さん:
1,000円!最近は1,000円の時給を見ることは普通になっていますが、最低賃金が1,000円というのは本当にすごいですね。
大熊社労士:
確かにそうですね。政府は働き方改革実行計画の中でも、最低賃金について、年率3%程度を目途として、全国加重平均が1000円になることを目指すとしていますから、最低賃金のAランクとされている各都府県についてはいずれ1,000円を超えてくることになると思いますよ。
服部社長:
そうですね。現在の水準であれば当社も特に問題はありませんが、1,000円を超えてくる水準になってくると大きな影響を受けることになろうかと思います。いまのうちから、その時代に備え、生産性の向上を進めなければなりませんね。
大熊社労士:
本当にそうですね。なお、最低賃金については今後、各都道府県の地方最低賃金審議会で答申され、関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定がなされます。通常は10月に発行しますので、また正式に決定したらお伝えしようと思います。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。今年も最低賃金の大幅な引き上げが行われる見込みとなりました。パートタイマーや高齢者の従業員などを中心に最賃割れがないようにチェックを行いましょう。チェック方法については以下の厚生労働省のサイトで確認することができます。
https://pc.saiteichingin.info/point/page_point_hayawakari.html
関連blog記事
2018年7月27日「注目の最低賃金 今年は23円~27円の引き上げへ」
http://blog.lived
oor.jp/roumucom/archives/52154970.html
参考リンク
厚生労働省「平成30年度地域別最低賃金額改定の目安について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172722_00001.html
(大津章敬)
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