残業代の見込み額が誤っていた場合の社会保険の標準月額の訂正要否

社会保険の資格を取得したときの標準報酬月額は、雇用契約等によって資格取得した従業員に支給する予定の給与額により決まります。この際、一定の時間外労働が発生する見込みのときには、その時間外労働の金額も含めて報酬月額を届け出ることになっています。

 勤務を開始したところ、想定を超えて時間外労働が発生したときには、届け出た報酬月額と実際に支給した給与に大幅な違いが出たときには、報酬月額の訂正をすべきか判断に迷いますが、日本年金機構が公開している「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」によると、以下のように示されています。

【問】被保険者資格を取得した際の標準報酬月額の決定について、例えば残業代が当初の見込みよりも増減した場合に、標準報酬月額の訂正を行うことができるか。

【答】被保険者資格を取得した際の標準報酬月額については、固定的賃金の算定誤り等があった場合に訂正を行うことはできるが、残業代のような非固定的賃金について、その見込みが当初の算定額より増減した場合は、訂正することはできない。


 訂正が必要と考えがちな事案ですので、処理を誤らないように留意しましょう。


参考リンク
日本年金機構「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」
https://www.nenkin.go.jp/jigyonushi/index.files/jireisyu.pdf


(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/


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