高卒求人倍率 リーマン以降9年連続の上昇で2.52倍へ

 2019年9月2日のブログ記事「有効求人倍率の低下傾向が鮮明に」などでもお伝えしているとおり、ここに来て、求人環境は徐々に改善に向かいつつありますが、高卒求人に関してはまだまだ厳しい状況が続いているようです。

 先日、厚生労働省が公開した令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめによれば、高校新卒者の求人状況は以下のようになっています。
求人数 約44万3千人で、前年同期比4.0%の増
求職者数 約17万6千人で、同2.1%の減
求人倍率 2.52倍で、同0.15ポイントの上昇

 グラフを見るとよく分かりますが、高卒の求人倍率は、リーマンショックによる雇用危機を迎えた平成23年度の0.67倍を底として、そこから9年連続の上昇となっており、令和元年度については2.52倍まで上昇しています。バブルのピークであった平成4年度の3.08倍には及びませんが、かなりの高水準となっています。大卒の採用が厳しい環境の中、高卒の採用を増やす企業が増加していることがこの結果に結びついていると思われますが、高卒についてもかなり厳しい採用環境にあることは理解しておく必要があるでしょう。


関連blog記事
2019年9月2日「有効求人倍率の低下傾向が鮮明に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52176064.html
2019年8月29日「正規・非正規共に低下した企業の人手不足感」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/cat_1031248.html
2019年4月1日「若干一服感が見られるようになった企業の採用姿勢」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52167875.html
2019年2月27日「53.0%の企業が従業員不足と回答」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52166900.html
2018年12月6日「正社員が不足している企業は52.5%で調査開始以来最高を更新」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52162128.html
2018年11月15日「65.1%の中小企業が抱える人材不足と現実に行われている対策」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52161451.html
2018年6月28日「65.0%の企業で人員不足 年々深刻化する状況」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52152651.html
2018年5月29日「正社員は49.2%、非正社員は32.1%の企業が「不足」と回答」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52151587.html
2017年11月30日「49.1%の企業が正社員が不足と回答 非正規社員については3.9%が不足」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52141137.html

参考リンク
厚生労働省「令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000178038_00002.html

(大津章敬)