残業が深夜0時を超えた場合の時間外割増賃金はどのように計算すればよいのですか?
今年のお盆休みはゆっくりと休んだ大熊であった。
大熊社労士:
おはようございます!
服部社長:
大熊さん、おはようございます。なんだかいつもよりお元気な感じですね。お盆はゆっくりと休めましたか?
大熊社労士:
ありがとうございます。今年は特にこの時期に行うべき仕事もありませんでしたのでゆっくり休みました。溜まっていた疲れもどこかに消えたので、今日から頑張りますよ!
宮田部長:
それは良かったです。私もゆっくりしましたよ。
福島さん:
宮田部長のゆっくりはいつものことじゃないですか!
宮田部長:
あれれ、そうだったかな?いずれにしてもゆっくり休めましたよ(笑)。さてさて、今日は一つ質問があったのです。というのは、残業のことなんですけどね。当社の場合、始業が午前9時、終業が午後6時となっています。午後6時以降に勤務した場合には残業になる訳ですが、例えば緊急対応が必要な事故が発生したなどの状況で残業が深夜0時を超えて翌日に及んだ場合、その午前0時以降の労働時間についてはどのように取り扱えばよいのでしょうか?
大熊社労士:
なるほど。このご質問の答えは、午前0時以降、翌日の始業時刻、つまり御社の場合であれば午前9時までは前日の勤務ということになります。これは昭和63年1月1日の基発1号という通達において、継続した労働は、たとえ暦日を異にする場合でも、1勤務として、その勤務の始業時刻の属する日の労働として取り扱われるとされているためです。
福島さん:
なるほど。となると割増賃金についてまとめると以下のようになるのでしょうか?
午後6時(終業時刻)から午後10時 25%
午後10時から午前5時 50%(深夜割増が加算)
午前5時から午前9時(始業時刻) 25%
午前9時以降 翌日の通常勤務のため割増なし
大熊社労士:
ありがとうございます。完璧なまとめです。
宮田部長:
なるほど。よく分かりました。このような勤務をさせようと思っている訳ではありませんが、万が一のときにどうすればよいかよく分かりました。
>>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
こんにちは、大熊です。みなさん、お盆はお休みを取ることはできたでしょうか?15日の台風では西日本を中心に大混乱の状態であったのではないかと思いますが、被害など出ていないことを願っております。さて、今回は労働時間に関して比較的よく質問を受ける労働時間が日を跨いでしまった場合の取り扱いです。このような勤務はかなりの過重性がありますので、できるだけ避ける必要がありますが、知識としては押さえておきましょう。
参考リンク
改正労働基準法の施行について(昭和63年1月1日 基発第1号、婦発第1号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb1899&dataType=1&pageNo=1
「1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とするものであること。」
(大津章敬)