特定最低賃金適用の際に注意したい適用除外者の取り扱い

 地域別最低賃金は産業や職種にかかわりなく都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されるものですが、特定最低賃金はそれとは別に、都道府県単位で定められた特定業種に適用されます。ただし、特定最低賃金については以下の労働者については適用が除外されますので注意が必要です。
・18歳未満の労働者
・65歳以上の労働者
・雇入れ後、一定期間未満で技能習得中の労働者
・特有の軽易な業務に従事する労働者

 上記の適用除外者については特段手続きは必要なく、自動的に地域別最低賃金が適用されることになります。また、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、以下の労働者については使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
・精神または身体の障害により著しく労働能力の低い労働者
・試の使用期間中の労働者
・基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める労働者
・軽易な業務に従事する労働者
・断続的労働に従事する労働者

 最低賃金の減額の特例許可を受けようとする使用者は、最低賃金の減額の特例許可申請書(所定様式)2通を作成し、所轄労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出しなければなりません。

 特定最低賃金については例年11月頃に発表され、12月頃に適用となりますので、特定業種の企業においては最低賃金割れが発生しないよう、忘れることなく確実にチェックを行うようにしましょう。


参考リンク
厚生労働省「最低賃金の適用される労働者の範囲」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-14.htm

(渡たかせ)