男性の育児休業取得率は過去最高の6.16% 取得期間も若干の長期化へ

 先日、厚生労働省より「平成30年度雇用均等基本調査」の結果が公表されました。この調査は、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に実施されています。今回は2019年10月1日現在の男性の育児休業制度の利用状況について確認しましょう。

[1]男性の育児休業取得率は伸び悩み
 男性の育児休業取得率は同調査が始まって以来、過去最高の6.16%となりました。直近2年間でその伸び率は大きく上昇していますが、2020年に13%という政府目標から見れば、伸び悩んでいる状況にあるということができるでしょう。

[2]取得期間はやや長期化に向かう傾向か
 取得期間については、「5日未満」で36.3%(2015年度56.9%)で最多となっており、次いで「5日以上2週間未満」が35.1%(同17.8%)という結果でした。前回同様「5日未満」の回答率がもっとも高かった一方で、実際の取得者の中に占める「5日未満」の割合は20.3%低下し、代わりに「5日以上2週間未満」が17.3%上昇しました。

 近年ではより積極的に育児に関わりたいと育休取得を希望する男性が増加しており、企業サイドにおいても男性の育休への関心も高まってきています。以前のような「まずはとにかく1日~数日でも育休取得を」といった実績づくりを行う段階から、男性がより実質的に育児や家事へ参画できるような取組みを行う企業も増えているのでしょう。今後企業にとっては制度の整備および実効性を伴う運用を行えるかが、男性女性問わず優秀人材の確保・定着に影響を与えることにもなりそうです。


参考リンク
厚生労働省「平成30年度雇用均等調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-30r.html

(菊地利永子)