勤務間インターバル制度を導入した企業はわずか3.7%

 先日、厚生労働省より、「平成31年就労条件総合調査 結果の概況」が発表されました。この調査は、主要産業における企業の労働時間制度、賃金制度等について総合的に調査し、日本の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として実施されているものです。そのうち、働き方改革の一つとして導入することが企業の努力義務となった勤務間インターバル制度の導入状況をみてみると、以下のようになっています。

        導入している  1企業平均間隔時間
調査計      3.7%       10:57
1,000人以上    8.3%       9:52
300~999人    4.4%       9:58
100~299人    2.2%       10:45
30~99人     3.9%       11:10

 導入している1,000人以上規模では、導入している企業は8.3%と他の企業規模よりも高いものの、全体での導入はわずか3.7%に留まり、まだ普及前の段階といえそうです。

 次に 勤務間インターバル制度の導入予定はなく、検討もしていない企業において、導入予定はなく検討もしていない理由(複数回答)をみてみると、企業割合は以下のようになっています。

超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため 53.0%
当該制度を知らなかったため 19.2%
人員不足や仕事量が多いことから、当該制度を導入すると業務に支障が生じるため 11.3%
夜間も含め、常時顧客や取引相手の対応が必要なため 8.2%
⑤当該制度を導入すると労働時間管理が煩雑になるため 8.0%

 この勤務間インターバル制度は過重労働防止対策のひとつとして挙げられており、また中小企業については活用を促す助成金(勤務間インターバル導入コース)が設けられています。この申請期限が2019年11月15日までとなっていることから、活用を検討されている場合は早めに進めましょう。


参考リンク
厚生労働省「平成31年就労条件総合調査 結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/19/index.html
厚生労働省「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース) 」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150891.html
(福間みゆき