出国時の脱退一時金の支給上限年数を5年に見直す方向/外国人の年金

 2019年10月30日、厚生労働省の第13回社会保障審議会年金部会において、外国人の年金に関する脱退一時金制度の見直しの方向性が示されました。

 外国人についても日本に滞在し就労する場合には、社会保障協定の適用がある場合などを除き、原則として、日本の年金制度に加入することになります。日本の老齢年金の受給資格期間は2017年8月に25年から10年に大幅短縮されたものの、10年未満の短期滞在者については、年金の受給権が得られず、掛け捨てとなってしまう問題があります。そのため、掛け捨てを防ぐために、設けられているのが、脱退一時金制度です。脱退一時金制度においては、短期滞在の外国人が年金の受給要件を満たすことなく、日本を出国する際に、年金制度の被保険者であった期間に応じた支給(支給上限3年)がされることにより、掛金が一部返金されることとなっています。

 今回、この脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引き上げることが検討されます。

 見直しの検討がされる背景としては、脱退一時金の制度創設当時は、在留資格期間の最長期間が3年であり、脱退一時金の対象となる出国者の大部分が在留期間3年以内であったところ、2019年4月に施行された改正出入国管理法により創設された新たな在留資格「特的技能(1号)」においては、在留期間の上限が5年とされたことに加え、3~5年滞在した者の割合が外国人出国者全体の16%(脱退一時金制度創設時である1994年当時は約5%)に増加していることが挙げられています。

 今後の見通しとしては、年内を目途に議論をまとめ、来年の通常国会への法案提出が見込まれています。

<参考リンク>
厚生労働省「第13回社会保障審議会年金部会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00016.html