増加する50代の転職 もっとも求められるのは「特定分野における高い専門性」

 かつては35歳くらいまでが転職年齢などと言われましたが、近年の深刻な人材不足を受けて、40代・50代での転職も増加しているように感じられます。そこで今回は、エン・ジャパンが転職コンサルタントを対象に実施したミドルシニアの求人動向についての調査結果(回答数130名)について取り上げましょう。

 まず「これまでに50代以上を採用する求人を扱ったことがありますか?」との質問については、95%が「ある」と回答し、更に50代以上対象の求人増加を感じるか伺ったところ、79%が「増えている」(増えている:19%、どちらかといえば増えている:60%)と回答しています。なお、求人が増えている企業タイプは、「中小企業」が78%と圧倒的で、大企業と比較し、採用競争力に劣る中、年齢が高い人材についても採用の対象としていることが分かります。

 さて、そんな50代以上の採用において、企業が求める人材に共通する特徴についてのトップ10は以下のようになっています。
64% 特定分野において高い専門性を持っている
62% 豊富な経験を生かして、短期間で戦力になれる
48% 豊富な経験から適切な判断能力がある
42% マネジメント能力が高く、若手社員の指導ができる
29% 人脈を活かすことができる
24% 経営課題に基づいた課題解決能力がある
21% 豊富な経験からプラスアルファの能力を発揮できる
17% 対外的な交渉力と広い視野がある
12% 人生経験を積んだ人間性で客観的な評価ができる
12% 状況に応じて臨機応変に対応する能力がある

 このように50代の人材については、専門性、即戦力、マネジメント能力などが期待されていることが分かります。70歳まで働くことが求められる時代が近付いており、今後のキャリア開発において意識しておくべき内容かも知れません。


参考リンク
エン・ジャパン「「ミドルシニアの求人動向」調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/20277.html

(大津章敬)