定期健康診断は、正社員だけでなく、パート従業員にも受診させなければなりませんか?

A パート従業員であっても、契約期間や勤務時間から見て「常時使用される労働者」と判断される場合には定期健康診断を受けさせなければなりません。

1.定期健康診断とは
 労働安全衛生法によって、事業者は1年以内ごとに1度、常時使用される労働者に対して医師による健康診断を実施しなければならないとされています。定期健康診断の検査項目は、(1)既往歴及び業務歴の調査、(2)自覚症状及び他覚症状の有無の検査、(3)身長・体重・腹囲・視力及び聴力の検査など、11の項目となっています。

2.常時使用される労働者とは
 定期健康診断を受けさせなければならない「常時使用される労働者」については、通達(平成19年10月1日基発第1001016号)において、以下の2つの要件のいずれにも該当する労働者と示されています。

  1. 期間の定めのない契約により使用される者であること。なお、期間の定めのある契約により使用される者の場合は、1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者。
  2. その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分3以上であること。

 この場合の「通常の労働者」とは、正社員がいる場合は正社員、正社員がいない場合にはフルタイムのパート従業員(当該業務に恒常的に従事する1週間の所定労働時間が最長の従業員)のことを指します。なお、1週間の所定労働時間数が(2)よりも短い場合でも、1週間あたりの所定労働時間数が通常の労働者の2分の1以上であり、(1)の要件を満たす労働者については、定期健康診断を受けさせることが望ましいとされています。

(伊藤杏奈)