振替休日と代休の違いは?

A あらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを休日の振替といい、事前に振替の手続きをとらずに休日労働を行った後、その代わりに与える休日を代休といいます。

1.振替休日の導入
 休日に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項であるとされています。よって振替休日の取り扱いを行うためには、就業規則に「業務上の必要により休日の振替を行うことがある」旨の規定をすることが必要です。また、休日の振替をする際は、事前に振替の対象となる休日と、振替によって新たに休日となる日を指定しなければなりません。

 さらに、休日の振替については、労働基準法第35条で毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないとされていますので、その条件を満たしていることも必要となります。

2.代休の導入
 代休は休日労働の代償的な措置として与える休日であるため、特段の導入手続きはありません。代休は必ず与えなければならないものではありませんが、休日出勤による過重労働を解消するためにも、積極的に与えるようにしたいものです。

3.賃金の計算方法
 休日労働をさせる日と同一週内において振替休日を取得させる場合は、元の休日と労働日が振替えられただけ(勤務カレンダーの変更)であり、休日労働にはなりませんので、休日労働の割増賃金の支払いは必要ありません。ただし、本来の休日を労働日として労働させたことにより、1週の労働時間が40時間を超えた場合は、時間外労働として割増賃金の支払い(2割5分増)が求められます。(昭22.11.27基発401、昭63.3.14基発150)

 一方、代休の場合は、休日労働を行わせた後にその代償として休日を与えるものであるため、既に休日労働を行ったという事実は消えません。したがってその休日分の賃金の支払いは、代休を取得したことにより通常の賃金部分(1.0部分)は相殺できますが、休日労働の割増部分の支払いは必要となります。

(関野真美)