平均賃金の計算方法について教えてください
A 算定事由発生日の前日からさかのぼって3カ月の間に支払われた賃金を平均して計算します。
1.平均賃金とは
平均賃金は解雇予告手当、休業手当、災害補償、年次有給休暇の賃金、減給の制裁の制限を算定する場合に用いられます。
2.平均賃金の計算方法
平均賃金とは、上記事項を算定すべき事由が発生した日の前日からさかのぼって3カ月の間に労働者に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除した金額となります。
平均賃金=事由発生日以前3か月の賃金総額÷事由発生日以前3カ月の総日数
この場合の3カ月とは暦日で考えることになり、直前の賃金締切日からさかのぼって3カ月を計算します。また、業務上の災害による休業や産前産後休業、会社都合の休業、育児・介護休業、試用期間については除いて計算することになっています。賃金総額については基本給はもとより、歩合給、家族手当、通勤手当、割増賃金など、労働基準法11条に規定される全ての賃金が含まれます。
<計算例>
平均賃金算定事由発生日:6月10日
賃金締切日:毎月20日
5月分(4月21日~5月20日)賃金:基本給20万 通勤手当1万円
4月分(3月21日~4月20日)賃金:基本給20万 通勤手当1万円 残業手当2万円
3月分(2月21日~3月20日)賃金:基本給20万 通勤手当1万円 残業手当1万円
平均賃金=(21万円+23万円+22万円)÷(30日+31日+28日)=7415.73…円(銭未満切捨)
3.平均賃金の最低保証
賃金が日給、時給、出来高等で支払われる場合には平均賃金が低額になってしまうことがあるため、これらの事情を考慮して平均賃金には最低保証額が定められています。具体的には上記2で計算した額と最低保証額を比較して高い方の額を平均賃金とすることになっています。
最低保証額=3か月の賃金総額÷3か月の実労働日数×60/100
(渡たかせ)