資格喪失後の出産にかかる出産手当金の支給廃止と移行措置

 以前このブログでも取り上げましたが、今年の4月1日から健康保険の被保険者資格喪失後の出産手当金支給が廃止されます。


 現在、出産手当金は被保険者期間が継続して1年以上ある被保険者であれば、資格を喪失していても、資格喪失後6ヶ月以内に出産した場合であれば支給されています。従って、これまでは出産手当金の受給を目的に妊娠4ヶ月経過後に退職をし、そもそも労働の義務がない状態でその申請を行うケースも見られました。今回はそのような実態も含め、見直しが行われたものと推測されます。なお、今回の支給廃止に伴い、若干の移行措置が設けられています。出産手当金を平成19年3月31日に受給しているか、受給することができる者は、平成19年4月1日以降も引き続き手当金を受給することができるとされています。具体的には、平成19年5月11日(多胎の場合は7月6日)までに出産した方は受給可能となっています。なお、この改正とともに出産手当金の給付額が変更になっていますが、この移行措置を適用する場合は、標準報酬日額の6割と従前のままになっています。


 今後、対象となる方への説明に加え、既に退職された方についても一度振り返り、説明が必要な場合には事前に周知しておく方が良いでしょう。



関連blog記事
2006年9月26日「健康保険法改正その4 任意継続被保険者に対する傷病手当金・出産手当金の廃止」
https://roumu.com
/archives/50737381.html

2006年9月15日「健康保険法改正その3 出産手当金と傷病手当金の給付額の変更」
https://roumu.com
/archives/50724259.html


参考リンク
愛知社会保険事務局「社会保険あいち2月号」
http://www.sia.go.jp/~aichi/kouhousi/s1902.pdf


(宮武貴美


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