今秋の最低賃金改定の目安 全国加重平均は15円

今秋の最低賃金改定の目安 全国加重平均は15円 昨日、中央最低賃金審議会より厚生労働大臣に対して、今秋の最低賃金改定額についての答申が行われました(画像はクリックして拡大)。今回、公益委員見解として示された平成20年度地域別最低賃金額改定の目安は、全国の都道府県を以下のようにA、B、C、Dの4つのランクに分け、引上げ額をAランク15円、Bランク11円、Cランク10円、Dランク7円(ランク毎の引上げ額)とされていますが、7月1日に施行された最低賃金法改正法の趣旨を踏まえ、一定の前提の下に最低賃金額と生活保護とを比較した結果、最低賃金額が生活保護を下回る12都道府県(下線)については、これを解消するための期間(年数)で生活保護との乖離額を除して得た額とランク毎の引上げ額とを比較して大きい方の額としています。
A 15円
千葉東京神奈川、愛知、大阪
B 11円
栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都兵庫広島
C 10円
北海道宮城、福島、茨城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡
D 7円
青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


 今後、各地方最低賃金審議会は、この公益委員見解を参考にしつつ審議を行い、その審議結果に基づき都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定することとなりますが、今年は昨年に引き続き、最低賃金の大幅な引き上げがなされることが確実な状況となっています。原油高などにより企業業績が低迷する中、企業にとっては労務費コストの増加が懸念されます。



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2008年3月18日「改正最低賃金法において取扱い変更となる派遣労働者の最低賃金適用」
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2008年1月29日「改正最低賃金法における適用除外規定廃止と減額特例の新設」
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参考リンク
厚生労働省「中央最低賃金審議会の答申「平成20年度 地域別最低賃金額改定の目安について」」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/s0806-8.html


(大津章敬)


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