改正最低賃金法における適用除外規定廃止と減額特例の新設

 先日、改正最低賃金法の5つのポイントを取り上げました。今回はこの中でも最も注意しておきたい最低賃金の適用除外規定について取り上げましょう。現行の最低賃金法では、以下の4つの労働者について、都道府県労働局長の許可を受けた場合には最低賃金の適用から除外することができるとされていました。
精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
試の使用期間中の者
職業訓練を受けている者
軽易な業務に従事する者


 今回の改正ではこの適用除外が廃止され、最低賃金の減額特例が新設されます。これにより、減額特例の対象となる労働者の最低賃金については、通常適用される最低賃金に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額となります。なお、対象労働者の範囲に関しての改正はなく、改正法施行前に許可を受けて最低賃金の適用除外となっている労働者については、施行日から1年の間に、新たに最低賃金の減額特例の許可を受ける必要があります。


 改正法の施行日および厚生労働省令はまだ発表されていませんが、現在、適用を受けている企業にとっては少なからず影響があるものだと考えられます。今後の情報に注意し、対応をしていく必要があるでしょう。



関連blog記事
2008年1月24日「12月に公布された改正最低賃金法のポイント」
https://roumu.com
/archives/51234809.html

Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog「最低賃金関連書式」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/cat_50241076.html


参考リンク
厚生労働省「最低賃金法の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/saiteichingin02/index.html


(宮武貴美)


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