成立した精神障害者の雇用義務化と障害者に対する差別禁止

成立した精神障害者の雇用義務化と障害者に対する差別禁止 2013年3月19日のブログ記事「精神障害者の雇用義務化 2018年4月施行に向け始動」で取り上げた通り、障害者雇用促進法改正により、企業に精神障害者の雇用を義務付けることが議論されてきましたが、昨日、「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」が公告され、この改正が正式に施行されることになりました。

 今回の改正内容を大きく分けると以下の2つとなっています。
障害者に対する差別の禁止等
(1)事業主は、労働者の募集および採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならず、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。
(2)事業主は、労働者の募集および採用並びに障害者である労働者の職務の遂行について、障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
(3)事業主は、障害者に対する差別等について、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、自主的な解決を図るよう努めることとし、都道府県労働局長は、紛争の解決の援助及び調停の委任を行うこととする。
精神障害者を含む障害者雇用率の設定
 精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る)である労働者の総数を算定の基礎に含めた障害者雇用率を設定し、事業主は雇用する障害者である労働者の数が雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数以上であるようにしなければならない。

 施行日については、1が平成28年4月1日、2については、平成30年4月1日となっています。また、障害者雇用率については、平成30年4月1日から起算して5年を経過する日までの間、精神障害者を含めた障害者の雇用の状況その他の事情を勘案して政令で定めるとしています。今後、更なる障害者雇用率の引き上げは不可避の状態にありますので、障害者雇用に関するより積極的な取り組みが求められます。


関連blog記事
2013年5月16日「対前年度比26.6%の大幅増となった精神障害者の就職件数」
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2013年3月25日「愛知労働局 障害者雇用率達成を判断するチェックシートを配布」
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2013年3月19日「精神障害者の雇用義務化 2018年4月施行に向け始動」
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参考リンク
官報「官報目次 平成25年6月19日付(号外 第128号)」
http://kanpou.npb.go.jp/20130619/20130619g00128/20130619g001280000f.html
厚生労働省「第183回国会(常会)提出法律案」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/183.html

(宮武貴美)

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