増加する労働局へのマタニティハラスメント相談

matahara 先日、厚生労働省から「平成26年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況」が発表されました。これは、雇用均等室で取り扱った相談、是正指導の状況・総数や、男女雇用機会均等法の施行状況等を取りまとめたものです。発表された資料を確認すると様々な労使トラブルが見えてきますが、今日はその中でもいわゆるマタニティハラスメント(以下、「マタハラ」という)について取り上げたいと思います。

 そもそも雇用均等室に寄せられた相談件数は、平成26年度で24,893件となり、2年連続の増加という結果になっています。労働者からの相談内容でもっとも多いものは、「セクシュアルハラスメント」となっており、58.7%と半数を超えています。そして、次に多いものが、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」であり、昨秋、最高裁でマタハラに関する判決が出たこともあり、今後、更に増加することが想像されます。この件数は、平成25年度の2,090件から平成26年度の2,251件となり、1割弱の増加となりました。なお、相談件数の割合は、全体の相談件数が増加したことに伴い、平成25年度18.9%から平成26年度18.0%と下がっています。

 6月は「第30回男女雇用機会均等月間」ということもあり、厚生労働省は均等法令などのより一層の周知徹底に取り組むこととしていますので、自社でも、マタハラが発生していないか、温床となるような対応はないか、今一度見直されてもよいかもしれません。


関連blog記事
2015年4月2日「マタハラ防止のために通達解釈を示した厚生労働省の不利益取扱いQ&A」
https://roumu.com
/archives/52069244.html

2015年1月27日「「最高裁判決を受けて改正された均等法・育介法の不利益取扱い禁止等に関する通達」
https://roumu.com
/archives/52063257.html


参考リンク
厚生労働省「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/sekou_report/index.html
厚生労働省「6月は「第30回男女雇用機会均等月間」です」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000087050.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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