新型コロナ感染拡大に伴い一定の離職者の基本手当は60日延長に

 6月12日に第二次補正予算が国会を通過するとともに、雇用保険特例法が成立しました。この雇用保険特例法では、休業手当を受けることができない労働者に関する新たな給付制度として、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金が創設されるとともに、新型コロナウイルス感染症等の影響による求職活動の長期化等に対応し、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の受給者について、給付日数を60日(一部30日)延長できることが規定されています。

 今回、この基本手当の延長についてリーフレットが更新され、以下のとおり詳細が判明しました。

1.対象となる人
以下の人で、2020年6月12日(法施行日)以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる人が対象となります。
・2020年4月7日(緊急事態宣言発令以前)までに離職した人
 離職理由を問わない(全受給者)
・2020年4月8日~2020年5月25日(緊急事態宣言発令期間中)に離職した人
 特定受給資格者および特定理由離職者
・2020年5月26日(緊急事態宣言全国解除後)以降に離職した人
 新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者および特定理由離職者(雇止めの場合に限る)

2.延長される日数
 60日(ただし、30歳以上45歳未満で所定給付日数270日、45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の人は30日)

3.対象とならないケース
 この特例延長給付は、積極的に求職活動を行っている人が対象となるため、①~④のいずれかに該当する場合は、対象とならない。
①所定の求職活動がないことで失業認定日に不認定処分を受けたことがある場合
②やむを得ない理由がなく、失業認定日に来所しなかったことにより不認定処分を受けたことがある場合
③雇用失業情勢や労働市場の状況などから、現実的ではない求職条件に固執される方等
④正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、指示された公共職業訓練を受けること、再就職を促進するために必要な職業指導を拒んだことがある場合

 対象となる人は、認定日にハローワークで延長の処理が行われるため、別途申請等の手続きは不要です。

↓この内容のリーフレットは以下からダウンロードできます
https://roumu.com/archives/103503.html


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2020年6月14日「休業手当が支給されない労働者に支給される「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」の概要」
https://roumu.com/archives/103395.html
参考リンク
厚生労働省「雇用保険臨時特例法の制定について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160688_00002.html
東京労働局「雇用保険受給資格者の皆様及びこれから手続きされる皆様へ~新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した給付日数の延長に関する特例について~」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/newpage_00583.html
(宮武貴美)