男性の育児休業取得率が徐々に高まっています
この週末までに関東までが梅雨明けをし、本格的な夏がやってきた。誰もが出かけたくなる陽気の週末であったが、新型コロナウイルスの感染者数が連日過去最高を更新している中、いま一つ心は晴れない大熊であった。
大熊社労士
おはようございます。今日も熱いですね!
宮田部長
大熊先生、おはようございます。梅雨が明けたと思ったら、いきなりの酷暑ですね。今日の最高気温は34度らしいですよ。本当に溶けてしまうそうな暑さです。
大熊社労士
本当にそうですね。こんなにいい天気なのに、目に見えないウイルスの感染が進んでいるというのもなんだか信じられませんね。
服部社長
いや、まったくです。様々な自治体が独自の緊急事態宣言を出し始めました。感染予防のためには仕方がないと思いますが、経済の落ち込みが心配ですね。秋以降、企業の倒産や解雇などが急増するのではないかと心配しています。
大熊社労士
私もそれを心配しています。雇用調整助成金の特例措置の延長の議論も出ているようですが、本質的な対策ではありませんからね。さてさて、今日は話題の男性の育児休業についてお話をしたいと思います。
福島さん
男性の産休制度を創設という話ですか?
大熊社労士
さすが、福島さん。最新のニュースをチェックされていますね。以前から男性の育児休業取得率を高めようとする取り組みが続けられていますが、政府では、妻の出産直後の夫を対象とした新たな休業制度を創設する方針を固め、来年の通常国会に育児介護休業法などの改正案を提出する方針にあるそうです。
福島さん
具体的にはどのような内容になりそうなのですか?
大熊社労士
まだ議論はこれからなので詳細は分かりませんが、少なくとも出産直後から一定期間の給付金を増額し、休みやすくするなどの対策が行われることになると思います。今回の報道では男性の産休という名称が用いられていますが、国家公務員には既に「男の産休」があるのはご存じですか?
福島さん
えっ、そんなのがあるのですか?
大熊社労士
はい。国家公務員には配偶者出産休暇(2日)と育児参加のための休暇(5日)の合計7日間の有給休暇制度があります。「配偶者出産休暇」は、妻の出産に係る入院等の日から出産の日後2週間を経過する日まで、「育児参加のための休暇」は妻の出産予定日6週間前の日から、出産の日後8週間を経過する日まで取得できるとされおり、この「男の産休」の5日以上使用率は平成30年度で67.8%となっています。
宮田部長
へーっ、そんな制度があるのですね。ということは今回はその民間企業版が検討されるということですね。
大熊社労士
内容はどちらかというと育児休業に近いものになるのではないかと予想していますが、そういうことですね。ちなみに男性の育児休業取得率は年々増加しています。先週、その最新の結果(令和元年度)が公表されたのですが、前年の6.16%から7.48%に引きあがっています。このように率で見ると女性の83.0%とは相当の差があり、低水準と言われてしまいますが、伸び率で見るとかなり大きくなっていますので、今後、法改正の効果もあり、男性の育児休業も当たり前という時代が来ると思います。
服部社長
そうですね。共働きが当たり前の時代になって、男性の家事・育児参加がなければ家庭が成立しない時代になっていると思います。当社では男性も育児休業を取得するものだという前提で、環境整備を行っていきたいと思っています。
大熊社労士
それがいいですね。また具体的な方針を検討する際には一緒に議論しましょう。
>>to be continued
[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
おはようございます。大熊です。今回は話題の男性の育児休業取得率について取り上げました。中小企業ではまだ男性の育児休業取得実績がないというケースが多いと思いますが、若手社員の意識も変わっており、今後、男性の育児休業取得は普通のことになっていくのは間違いありません。その取得に向けた環境整備を行うと同時に、経営者や管理者が意識変革をしておかないと、「男が育児休業を取得するなんてあり得ない!」といった発言からマタハラの問題が起きることも懸念されます。時代の変化を理解させるような社内の情報発信も重要になるでしょう。
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2020年8月1日「男性の育児休業取得率は6.16%から7.48%に上昇」
https://roumu.com/archives/103873.html
参考リンク
厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r01.html
内閣官房「男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進」
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/male_childcare/index.html
(大津章敬)