テレワーク利用者の86%が今後もテレワークを希望しています

 テレワークの状況について、高い関心を持っている大熊であった。


大熊社労士
 おはようございます。今日も朝から暑いですね。
宮田部長宮田部長
 大熊先生、おはようございます。本当に暑いですね。さあ、会議室の方へどうぞどうぞ。たぶん大熊先生が暑さでぐったりされているだろうと予想して、冷房を目一杯かけていますから(笑)
大熊社労士
 あ、ほんとだ、最高に涼しいです。ありがとうございます!冷房の温度は…、18度の急じゃないですか!クールビズ完全無視ですね(笑)。少ししたら温度、上げておいてくださいね。福島さんが風邪を引いてしまってはいけませんから。
福島照美福島さん
 ありがとうございます。宮田部長も超暑がりですから、大熊先生がいらっしゃることを言い訳に部屋を目一杯冷やしているだけだと思います!
宮田部長
 あ、バレてたか。
大熊社労士
 さてさて、今日はテレワークについてお話をしたいと思います。御社ではその後、テレワークの導入は進みましたか?
服部社長服部社長
 以前もお話しましたが、当社は現場の比重が高いので、全社的にはテレワークではなく、時差出勤で感染防止を図るようにしています。ただ、今後のウィズコロナの長期化も見据えて、営業や管理部門では一部、テスト的に実施をしているところです。
大熊社労士
 なるほど、そのような状態なのですね。各種調査でテレワークの導入率を見ると、やはり業種別の差は大きく、情報サービス業では非常に高いですが、医療・福祉や飲食業など現場中心の業種では非常に低調です。製造業はちょうどその中間といった感じになっています。そしていずれの業種も緊急事態宣言が出ていた4月~5月に導入がピークを迎え、解除後の6月には減少しています。
服部社長
 取りやめる企業が少なくないということですか?
大熊社労士大熊社労士
 そういうことですね。現実的な話として、十分な準備なく導入されたテレワークですので、業務の生産性が低下しているケースがどうしても多くなり、緊急事態宣言の解除もあって、取り止めているのでしょう。しかし、従業員の意識が大きく変わっていることに注意が必要です。先日公表された大久保敏弘・NIRA 総合研究開発機構の「第2回テレワークに関する就業者実態調査(速報)」を見ると、多くの従業員が今後、テレワークを希望しているという結果が出ています。テレワークを利用している従業員ですと、テレワークはせず、毎日出勤したいと回答しているのはたった14%しかありません。
服部社長
 なんと!ということは残りの86%はテレワークを希望しているということですね。
大熊社労士
 はい。毎日テレワークをしたいというのが19%、週3~4日が18%、半々が26%、週1~2日が23%となっています。またテレワークを利用していないという従業員の場合、テレワークのイメージが湧きにくいのか、55%は毎日出勤したいとしていますが、それでも残りの45%はテレワークをしたいと回答している訳です。
福島さん
 私も数日テレワークをして感じましたが、やはり通勤がなくなるだけで時間には余裕ができましたし、家族との触れ合いの時間も増えたのでよかったと思います。もっともやはり会社で行った方がよい仕事も少なくなかったので、私の場合、週に2日くらいテレワークがあるとよいかなと感じました。
服部社長
 福島さんもそう感じたのか。なるほど、当社ももう少し積極的にテレワークに取り組まないといけないかも知れないな。工場勤務の社員であっても、計画やレポートを作成は在宅でもできると思うので、集中してそうした資料作成を進める日を作って、在宅で対応してもよいはずだから。
福島さん
 社長、本当にそうだと思います。工場の新入社員などはなかなか難しいかも知れませんが、新しい働き方を導入していくことは採用や定着にも有効ではないかと思います。現場の意見もヒアリングして、社長に提案としてあげさせていただきますね。
服部社長
 分かった。よろしく頼みます。

>>to be continued

大熊社労士のワンポイントアドバイス[大熊社労士のワンポイントアドバイス]
 おはようございます。大熊です。今回はテレワークについて取り上げてみました。今回ご紹介した調査は非常に面白い結果が出ていますので、是非ご覧ください。今回、社会から半ば強制されるような形で始まったテレワークですが、日本人の働き方を大きく変えるきっかけとなりそうです。


関連記事
2020年6月23日「テレワーク、本当に多くの企業が導入しましたね」
https://roumu.com/archives/103515.html

参考リンク
大久保敏弘・NIRA 総合研究開発機構(2020)「第2回テレワークに関する就業者実態調査(速報)」
https://www.nira.or.jp/outgoing/report/entry/n200630_976.html

(大津章敬)