日本年金機構から公開された標準報酬月額の特例改定の延長等に係るQ&A
2020年10月1日の記事「新型コロナの影響に伴う標準報酬月額の特例改定の期間が12月まで延長に」でとり上げたとおり、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い休業し、給与が著しく下がったときに、翌月から標準報酬月額を見直すことができる制度が延長されました。
これに関連したQ&Aが先日、日本年金機構から公開されました。Q&Aは以下のように22問あり、すでに公開されている制度の説明の資料のみではわからなかった内容も盛り込まれています。制度の利用を検討されている場合には、内容を確認しておきましょう。
【制度等について】
Q1 8月から12月までを急減月とした特例改定は、どのような要件に該当した方が対象になりますか。4月から7月までを急減月とした特例改定から変更はありますか。
Q2 「急減月」の考え方に変更はありますか。
Q3 新型コロナウイルス感染症の影響により「休業があった者」が対象となっていますが、考え方に前回の特例改定から変更はありますか。
Q4 「休業が回復した月」の考え方について変更はありますか。
Q5 休業の状況に変わりはありませんが、その他の手当(住居手当等)の変動により標準報酬月額が2等級以上上がった場合、休業が回復した際の随時改定の対象になりますか。
Q6 休業状況から段階的に回復している場合、最初の休業が回復した場合の随時改定以降の随時改定は、通常の随時改定と同様の要件となりますか。
Q7 休業が回復した月に、基本給が昇給(または降給)した場合、休業が回復した場合の随時改定の他に、固定的賃金の変動による通常の随時改定の届出が必要になりますか。
Q8 8月から12月までを急減月とした特例改定により標準報酬月額の改定を行いました。その後、休業手当の給付割合の変更により、標準報酬月額を下げる随時改定を行いました。この場合、休業が回復した場合の随時改定の届出は必要でしょうか。必要な場合、直近の標準報酬月額と比較して2等級以上上がった場合が対象になりますか。
Q9 8月から12月までを急減月とした特例改定後、令和3年8月まで休業状態が回復しなかった場合であって、令和3年4月から6月までの全ての月の支払の基礎となった日数が17日未満の場合、令和3年の定時決定は、いつ時点の報酬で決定されますか。
Q10 7月または8月に特例改定を行った後、休業が回復する前に、さらに8月から12月までを急減月とする特例改定に該当した場合、休業が回復した場合の随時改定は、どのように届出を行うことになりますか。
【申請について】
Q11 8月から12月までを急減月とした特例改定について、届出期限はありますか。また、遡及して届出は行えますか。
Q12 8月から12月までを急減月とした特例改定後の標準報酬月額は、いつまで有効ですか。
Q13 8月の給与で標準報酬月額が2等級以上下がったため、8月を急減月として9月の特例改定を行いました。その後、9月の給与で更に標準報酬月額が2等級以上下がった場合、改定月を10月に訂正することはできますか。
Q14 4月から7月までを急減月とした特例改定により、既に標準報酬月額の改定を行ったのですが、8月から12月までを急減月とした特定改定の届出はできますか。
Q15 届出方法は、現在実施している4月から7月までを急減月とした特例改定と同様でしょうか。
【様式・記入方法・添付書類】
Q16 4月から7月までを急減月とした特例改定の届書と申立書の様式を使用して届出できますか。
Q17 休業が回復した場合の随時改定は、どのような要件に該当する場合に届出が必要になりますか。
Q18 休業が回復したことによる随時改定の届出を行うことになりますが、その場合、通常の月額変更届の様式で届出できますか。また、休業が回復したことを確認できる書類の添付は必要でしょうか。
【令和2年定時決定】
Q19 4月または5月を急減月とした特例改定を行った場合で、8月の報酬の総額に基づく標準報酬月額による定時決定の特例を申請する場合、8月を急減月とした特例改定の際と同様の届書や申立書の様式を使用すればよいですか。
Q20 4月または5月を急減月として特例改定を行った場合であって、定時決定による標準報酬月額と比較して、8月における報酬の総額に基づく標準報酬月額が2等級以上低いときは、必ず定時決定の特例の届出を行う必要がありますか。
Q21 8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例により標準報酬月額の決定を行った場合に、9月以降、さらに休業による報酬の低下があった際には、当該月を急減月とした特例改定の届出ができますか。
Q22 4月を急減月とした特例改定に該当しましたが、6月に休業が回復し、6~8月の報酬の平均が2等級以上上がったため、9月改定の随時改定を提出しました。この場合、8月における報酬の総額に基づく標準報酬月額が、9月改定の随時改定で決定した標準報酬月額と比べて2等級以上低い場合、8月の報酬の総額に基づく定時決定の特例を行うことはできますか。
↓標準報酬月額の特例改定の延長等に係るQ&A
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0930.files/QA.pdf
関連記事
2020年10月1日「新型コロナの影響に伴う標準報酬月額の特例改定の期間が12月まで延長に」
https://roumu.com/archives/104603.html
2020年9月30日「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合 健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例改定を延長等します」
https://roumu.com/archives/104575.html
2020年7月3日「【速報】新型コロナ月額変更特例 64項目のQ&A公開」
https://roumu.com/archives/103595.html
2020年6月26「休業開始翌月から月額変更が可能に~新型コロナ 随時改定の特例が新設~」
https://roumu.com/archives/103544.html
参考リンク
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例改定が延長等することになりました」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202009/0930.html
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定の延長等のご案内」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0930.html
(宮武貴美)