厚労省「男性の育児休業取得促進策等について」を公表 育児・介護休業法改正案の策定へ

 2020年8月1日の記事「男性の育児休業取得率は6.16%から7.48%に上昇」で、男性の育児休業の取得率が上昇したことをお伝えしたものの、現状10%未満であり、少子高齢化の進展等、大きな課題を抱えています

 そのため、厚生労働省の労働政策審議会建議の雇用環境・均等分科会では、男性の育児休業取得促進策等について検討が進められており、1月18日、労働政策審議会建議から建議「男性の育児休業取得促進策等について」が公表されました。

 公表された内容で、「適当である」とされた主なものは以下の通りです。

(1)子の出生直後の休業の取得を促進する枠組み

  • 対象期間については、子の出生後8週とすること。
  • 取得可能日数については、4週間とすること。
  • 申出期限は現行の育児休業より短縮し、原則2週間前までとすること。
  • 分割して2回取得可能とすること。
  • 労働者の意に反したものとならないことを担保した上で、労働者の意向を踏まえて、事業主の必要に応じ、事前に調整した上で、新制度に限り、就労を認めること。

(2)妊娠・出産(本人または配偶者)の申出をした労働者に対する個別の働き
かけ及び環境整備

  • 休業を取得しやすい職場環境の整備として、研修、相談窓口設置、制度や取得事例の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択することとすること。
  • 本人または配偶者の妊娠・出産の申出をした労働者に対し、個別に周知し、取得の働きかけをすることを事業主に義務付けること。

(3)育児休業の分割取得等

  • 分割して2回取得可能とすること。
  • 1歳以降の延長の場合の取扱いとして、開始日を柔軟化することで、各期間の途中でも夫婦交代を可能(途中から取得可能)とすること。

(4)育児休業取得率の公表の促進等

  • 大企業に男性の育児休業等取得率または育児休業等および育児目的休暇の取得率の公表を義務付けること。

 厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて法律案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定とのことで、この通常国会で法案提出が行われ、国会での審議に移ることが予想されます。


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https://roumu.com/archives/103873.html

参考リンク
厚生労働省「労働政策審議会建議「男性の育児休業取得促進策等について」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00007.html

(宮武貴美)