育児介護休業法改正法律案要綱に見る「出生時育児休業(いわゆる男性の産休)」制度の概要

 2021年1月19日の記事「厚労省「男性の育児休業取得促進策等について」を公表 育児・介護休業法改正案の策定へ」で取り上げた育児介護休業法改正ですが、厚生労働省労働政策審議会は、2021年1月27日に諮問された育児介護休業法改正法律案要綱について、2021年2月5日(金)、 田村憲久厚生労働大臣に答申しました。

 今回の法律案要綱の中で、もっとも話題となっているのは「出生時育児休業」、いわゆる男性の産休の新設ですが、そのポイントは以下のようになっています。

  1. 労働者は、その養育する子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業のうち、子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までの期間内に四週間以内の期間を定めてする休業(以下「出生時育児休業」という。)をすることができる。
  2. 労働者は、その養育する子について、その事業主に申し出ることにより、合計28日を限度として、二回の出生時育児休業をすることができる。
  3. 事業主は、労働者から出生時育児休業申出があったときは、当該出生時育児休業申出を拒むことができない。ただし、労働者の過半数を代表する者等との書面による協定で定めた場合に育児休業申出を拒むことができる旨の規定を準用する。
  4. 出生時育児休業申出は原則として開始予定日の2週間前までに行わなければならない。
  5. 事業主は、労働者が育児休業申出及び出生時育児休業申出をし、若しくは育児休業をしたこと等を理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

 厚生労働省としては、今後、法律案を作成し、今通常国会に提出する予定となっています。


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2021年1月28日「男性の育児休業取得促進に向けた雇用保険育児休業給付見直しの方向性」
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2021年1月19日「厚労省「男性の育児休業取得促進策等について」を公表 育児・介護休業法改正案の策定へ」
https://roumu.com/archives/105840.html

参考リンク
厚生労働省「「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00008.html

(大津章敬)