出生時育児休業(男性産休)とともに国会提出される雇用保険 育児休業給付金の改正

 2021年2月6日の記事「育児介護休業法改正法律案要綱に見る「出生時育児休業(いわゆる男性の産休)」制度の概要」では、いわゆる男性産休として、出生時育児休業についてとり上げましたが、この記事で取り上げていた要綱は、雇用保険法の改正も盛り込まれています。

 雇用保険法の改正にも盛り込まれているものの一つが、出生時育児休業給付金の創設であり、概要は以下のとおりです。

  1. 育児休業給付に出生時育児休業給付金を追加すること。
  2. 出生時育児休業をした場合において休業開始時賃金日額に、出生時育児休業をした期間の日数を乗じて得た額の100分の67に相当する額の出生時育児休業給付金を支給する。
  3. 2にかかわらず、出生時育児休業をした被保険者にその事業主から出生時育児休業の期間に賃金が支払われた場合において、賃金の額と支給額との合計額が休業開始時賃金日額に出生時育児休業をした期間の日数を乗じて得た額の100分の80に相当する額を超えるときは、超える額を支給額から減じて得た額を支給することとし、超える額が支給額を超えるときは、支給しないものとすること。
  4. 2にかかわらず、被保険者が次のいずれかに該当する出生時育児休業をしたときは、出生時育児休業給付金を支給しないものとすること。
    ①同一の子について当該被保険者が3回以上の出生時育児休業を
     した場合の3回目以後の出生時育児休業
    ②同一の子についてした出生時育児休業の日数が合計28日に
     達した日後の出生時育児休業

 このほかにも、育児・介護休業法の改正と合わせて改正が予定されるものもあり、改正されたときには実務に大きな影響を与えそうです。


関連記事
2021年2月6日「育児介護休業法改正法律案要綱に見る「出生時育児休業(いわゆる男性の産休)」制度の概要」
https://roumu.com/archives/106101.html
参考リンク
厚生労働省「「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00008.html
(宮武貴美)