骨太の方針2021閣議決定 女性活躍に関する方針のポイント

 先週金曜日(2021年6月18日)、「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(いわゆる骨太の方針2021)が閣議決定されました。この骨太の方針2021のうち、働き方改革フェーズⅡおよび最低賃金引き上げに関しては、原案の段階で記事にまとめておりますので、以下をご覧ください。
2021年6月14日「骨太の方針2021原案に見る働き方改革フェーズⅡの内容」
https://roumu.com/archives/107805.html
2021年6月11日「骨太の方針2021原案に見る今年度の最低賃金引上げの方向性」
https://roumu.com/archives/104288.html

 今回は、女性活躍に関する記載を確認したいと思います。人事労務管理に関する事項は「結婚・出産の希望を叶え子育てしやすい社会の実現」という単元で以下のように記載されています。

  • 賃上げや正規・非正規の格差是正など少子化の背景として指摘される雇用環境の改善に取り組むとともに、社会全体で男性が育児休業を取得しやすい環境の整備を進める。
  • 結婚支援、不妊治療への保険適用、出産費用の実態を踏まえた出産育児一時金の増額に向けた検討、産後ケア事業の推進、「新子育て安心プラン」及び「新・放課後子ども総合プラン」の着実な実施、病児保育サービスの推進、地域での子育て相互援助の推進、子育てサービスの多様化の推進・情報の一元的提供、虐待や貧困など様々な課題に対応する包括的な子育て家庭支援体制、ひとり親世帯など困難を抱えた世帯に対する支援、育児休業の取得の促進を含めた改正育児介護休業法74の円滑な施行、児童手当法等改正法75附則に基づく児童手当の在り方の検討などに取り組む。
  • 子ども・子育て支援の更なる「質の向上」を図るため、消費税分以外も含め、適切に財源を確保していく。今般の感染症下における対応を踏まえ、これまでの各種施策を総点検した上で、KPIを定めつつ包括的な政策パッケージを年内に策定し推進する。

 また「女性の活躍」という箇所には「非正規雇用労働者に女性が多いことを踏まえ、非正規雇用労働者の待遇改善を図るとともに、出産後に女性の正規雇用比率が低下するいわゆるL字カーブの解消に向け、女性の正規化への重点的な支援、男性の育児休業取得促進を図る。さらに、安全・安心な親子の面会交流のための具体策の検討を進める。」との記載もあり、全体としては先日、改正法が成立した育児介護休業法に基づく男性の育児休業の取得促進や、出産一時金の増額、L字カーブ是正に向けた女性の正規化への取り組みなどが盛り込まれています。

 この分野は労働政策の重点事項の一つですので、今後も様々な法改正等が予想されます。


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https://roumu.com/archives/104288.html

参考リンク
内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2021」
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2021/decision0618.html

(大津章敬)