2022年度の年度更新における雇用保険の概算保険料額の算出方法

 2022年4月1日の記事「2022年度の雇用保険料率 法案どおりで正式に決定」で取り上げたとおり、2022年度の雇用保険料率は年度途中で変更となる例年にない対応となりました。この年度途中の雇用保険料率の変更は、10月に従業員の給与から控除する雇用保険の料率を変更すること以外にも、労働保険の年度更新の概算保険料額の算出においても留意が必要です。

 2022年度の年度更新では、2021年度の賃金総額から2021年度の確定保険料額を算出するとともに、2022年度の概算保険料額も計算する必要があります。賃金総額が大きく変更しない場合には、前年度の賃金総額を当年度の概算保険料額の計算の基礎にすることになりますが、2022年度は年度途中で雇用保険料率が変わることになるため、「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」(以下、「集計表」という)に雇用保険料率の適用期間ごとに算定内訳のが設けられ、期間ごとの概算保険料額を各欄を記入することになっています。その上で、算出した概算保険料額を申告書に記載します。

 集計表で概算保険料額を算出する際には、2022年4月から9月(上期)、10月から2023年3月(下期)の2つに分けて賃金総額の見込額を記入することになっていますが、2022年度の賃金総額の見込額が、2021年度の賃金総額と比較して、2分の1以上2倍以下の額となる場合には、2021年度の賃金総額の2分の1の額を上期・下期の賃金総額とすることになっています。

 コロナ禍という事情はありますが、2022年度賃金総額は2021年度の賃金総額と大きく変わるのことがないという企業が大多数ではないかと思います。2023年度の年度更新で充当額や不足額が大きくなる懸念はありますが、厚生労働省のパンフレット等を参考に計算を進めていきましょう。


関連記事
2022年4月1日「2022年度の雇用保険料率 法案どおりで正式に決定」
https://roumu.com/archives/111262.html
参考リンク
厚生労働省「令和4年度労働保険の年度更新期間について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/roudouhoken21/index.html
(宮武貴美)