2024年4月より有期労働契約に関する告示が改正の見込み

 2022年12月28日の記事「厚労省から公表された今後の労働契約法制と労働時間法制のあり方に関する報告」で取り上げた「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」では、使用者が有期雇用契約の締結より後に更新上限を新たに設ける場合には、その上限設定の理由を説明すべきこと、また、使用者から個々の労働者に対して、無期転換後の労働条件に関して均衡を考慮した事項について説明するよう促すべきこととされました。それを受け、先日より、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号)」の改正にかかるパブリックコメントの募集が開始されています。

 このパブリックコメントにおける今回の改正の概要は以下の通りとされています。

  1. 使用者は、有期労働契約の締結後、当該有期労働契約の変更又は更新に際して、通算契約期間又は有期労働契約の更新回数について、上限を定め、又はこれを引き下げようとするときは、あらかじめ、その理由を労働者に説明しなければならないこととする。
  2. 使用者は、法第15条第1項の規定により、労働者に対して無期転換後の労働条件を明示する場合においては、当該労働条件に関する定めをするに当たって労働契約法第3条第2項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないこととする。
  3. その他、上記の改正に伴う題名の変更及び所要の規定の整理を行う。

 この改正は令和5年3月上旬に告示され、令和6年4月1日から適用される予定となっています。


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2022年12月28日「厚労省から公表された今後の労働契約法制と労働時間法制のあり方に関する報告」
https://roumu.com/archives/114660.html
2022年7月21日「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」
https://roumu.com/archives/112781.html

参考リンク
e-gov「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準の一部を改正する件案に関する御意見の募集について」
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495220315&Mode=0
厚生労働省「労働政策審議会労働条件分科会報告「今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(報告)」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30073.html
厚生労働省「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index.html

(大津章敬)