東証プライム上場企業の2024年度大卒初任給平均は239,078円

 今春は歴史的な賃上げとなりましたが、初任給についても多くの企業で引き上げが行われています。そこで今回は一般財団法人労務行政研究所が東証プライム上場企業152社を対象に実施した初任給調査の速報結果を取り上げます。
(1)初任給の改定状況
 初任給を「全学歴引き上げ」た企業は86.8%となりました。これは前年度の70.7%から16.1ポイントの大幅上昇となっています。「全学歴引き上げ」は製造業で91.3%、非清掃業で80.0%となっており、特に製造業で多くの企業が初任給の引き上げを実施したことが分かります。

(2)初任給の水準
 学歴別の決定初任給の平均は以下のようになっています。
大学院卒修士 259,928円(前年比+14,438円)
大学卒(事務・技術) 239,078円(前年比+12,346円)
短大卒(事務) 205,887円(前年比+12,087円)
高校卒(事務・技術) 193,427円(前年比+11,862円)

 このようにいずれの学歴も10,000円を超える大幅増となっています。個別企業の状況を見ると、大卒で250,000円という企業も多く、来春に向けてはまだまだ初任給水準が上昇することが予想されます。ここまで初任給が上昇すると、賃金カーブの見直しも不可避となってきます。企業の賃金制度改革の勢いは増すことになるでしょう。


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2024年5月1日「2024年4月入社者の大卒初任給平均は前年比+8,706円の226,341円」
https://roumu.com/archives/122267.html

参考リンク
労務行政研究所「2024年度 新入社員の初任給調査(2024/5/7)」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000087086.pdf

(大津章敬)