[採用氷河期における人材確保]激戦化した平成19年度新卒採用(1/2)

 平成18年も残りわずかとなり、平成20年3月卒業生を対象とした大卒採用活動がいよいよ本格化して来ました。「平成19年度は厳しかった!」と多くの採用担当の方が感じられたことではないでしょうか。事実、ほんの2年前までは1.4倍を切っていた求人倍率が1.9倍に跳ね上がったというデータがありますし、大手企業の桁外れな求人数による中堅・中小企業への影響は、数字以上のものがあります。平成20年度は更に厳しくなることが予測され、“就職氷河期”と言われた数年前が、大昔のことのようです。今回はこのような“採用氷河期”における人材確保のポイントと善後策などについて、今日・明日の2回で考えてみたいと思います。


企業規模別求人数及び求職者数増減率【平成19年度の振り返り】
 平成19年度における大きな変化は、次の点にあります。
崩れた需給バランス
 量的側面もさることながら、質の変化が顕著に見られています。大手企業はその採用意欲の高さから、これまでエントリーさえ受け付けていなかった大学にも食指を伸ばしています。結果として中堅・中小企業が割を食い、採用実績が予定数の半分にも満たない企業さえあるのが実情です
長期化する採用活動期間
 年末が近付いても、未だに内定辞退が発生しているようです。入社の承諾を受けていても、本当に入社までは予断が許されない状態となっています。一方で、夏季休暇からインターンシップを実施する企業が増えるなど、採用活動の早期化が顕著になってきています。採用はまさに通年の活動になってきました。
全市場共通の人不足
 中途や派遣も“売り手市場”となっており、「新卒が駄目なら他から」が通用しません。厳しくとも、新卒は新卒で成果を挙げなければならないのです。


 このような状態は、「団塊世代の大量退職」「長期化する好景気」「コンプライアンス強化のための新たな人材需要の発生」などの影響で、ここ数年は続くと覚悟しておいた方が良いでしょう。実際に、10月初旬にオープンした大手採用サイトへの登録企業数は、昨年比倍増していると言われています。


 それでは明日はこの平成19年度の状況を受けた今後の採用活動のポイントについてお話したいと思います。



参考リンク
厚生労働省「平成18年度高校・中学新卒者の求人・求職状況(平成18年7月末現在)について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/09/h0913-1.html


関連blog記事
2006年12月20日「[採用氷河期における人材確保]平成20年新卒採用に向けた採用活動のポイント(2/2) 」
https://roumu.com
/archives/50830418.html

Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog「採用関連書式」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/cat_50044768.html

亀井英孝


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