[採用氷河期における人材確保]平成20年新卒採用に向けた採用活動のポイント(2/2)
平成18年も残りわずかとなり、平成20年3月卒業生を対象とした大卒採用活動がいよいよ本格化して来ましたが、昨日は急速に厳しさが増した平成19年度の新卒採用状況についてお話させていただきました。本日はそれを受けて、今後の採用活動のポイントについて解説したいと思います。
【人材確保のポイント】
このような“採用氷河期”における採用活動のポイントを整理してみましょう。
活動エリアを拡大する
特に都市部は激戦区です。このようなときに質を落とさず採用するには、活動エリアを広げるしか方法はありません。
トップとスーパースターを投入する
採用担当部門だけで満足できる結果が出せる時代ではありません。全社体制で、学生から見て、もっとも魅力を感じる社員を最大限投入すべきです。
できる限り個別の接点を増やす
今の学生は、「身近さ」を求めています。「身近な人、身近な話、身近な存在…」メール、電話、はがき、面談など、質量共に「身近さ」を演出すること、そして「私を見てくれている」と感じてもらえる活動をすることが大切です。
「採用活動=教育」という思想を持って活動する
圧迫面接の時代は終わりました。一方で媚びてもいけません。採用難時代に入社した社員の定着率や成長度合いが低いのは、採用時の甘やかしに原因があると言われています。「選考プロセスは教育の一環」という認識を持って設計し、実践していかなければなりません。
内定者フォローをより一層充実させる
内定承諾後も就職活動を続けるいまの学生に対しては、内定後のフォローが重要です。「繋ぎ止め」ではなく「縁を太くする」という発想で、同様に教育プランとして設計・実践することが肝要です。
内定辞退者を5年間はフォローする
大手企業が質より量を優先している現状は、ミスマッチの量産状態であると言っても過言ではありません。中堅・中小企業においては、大手企業の優れた教育プランで鍛えられた人材の流出を待つことも選択肢の一つです。しかしただ待つだけでは他社に採られてしまいます。少なくとも自社が内定を出した人材は、“そのとき”が来るまでフォローしていきたいところです。
【優秀な人材を採る時代から育てるしかない時代へ】
このような“採用氷河期”におけるもう一つの重要な視点は、「今いる社員を徹底的に鍛え上げる」ことです。量が不足するのであれば質を上げるしかありません。またせっかく確保した新入社員を早期に、かつ優秀な人材に育て上げるには、既存社員のレベルアップが必要不可欠です。新入社員を今いる社員以上に育てることは極めて困難です。それが自社の育成能力の限界なのですから…。このとき重要なのは、次の視点です。
「育てるしかない」という強い信念と覚悟を持つ
まずは、社員の代替が効かない採用環境の現実をあらゆる手段を使って全社的に認知させ、育成の腹括りをしてもらうことが肝要です。
経営陣・管理者育成を最優先課題とする
特に教育システムが完備できていない中堅・中小企業においては、経営陣・管理者の日頃の言動と社員育成能力の向上が最優先課題です。
コンピテンシーを明確にし、組織横断的な教育体系を構築する
コンピテンシーとは「高業績者の行動特性」であり、これを元にどのような人材を育成するのかを明確にした上で、教育体系そのものの見直し・構築を行います。
【まとめにかえて】
具体的な方法については別稿に譲りますが、当社では名南ビジネスカレッジをはじめとした教育プランのご提案をしております。是非一度お声掛け下さい。
参考リンク
厚生労働省「平成18年度高校・中学新卒者の求人・求職状況(平成18年7月末現在)について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/09/h0913-1.html
関連blog記事
2006年12月19日「[採用氷河期における人材確保]激戦化した平成19年度新卒採用(1/2) 」
https://roumu.com
/archives/50830411.html
Wordで使える!就業規則・労務管理書式Blog「採用関連書式」
http://blog.livedoor.jp/shanaikitei/archives/cat_50044768.html
(亀井英孝)
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