コミュニケーションがキャリア形成に与える影響

 今回はコミュニケーションについて、特にキャリア形成との関係からお話してみたいと思います。以前、2006年10月28日のblog記事「キャリアは誰のものか」の中でお話したように、社員は職業経験だけではなく、会社内外の様々な手助けを借りて、そのキャリアを展開しています。手助けといっても、実際に支援を受けたり、アドバイスをもらったりするような場合だけではなく、日頃のコミュニケーションの中から影響を受けることも多いのではないでしょうか。


 社員にとってコミュニケーションの相手は、上司や同僚、部下あるいは顧客、家族や友人などたくさんいます。社員はコミュニケーションによって自らのキャリアについて考えるきっかけを得たり、将来のキャリアビジョンを明確にしたり、社員本人がキャリアビジョンに向けて自信を持つこともあるでしょう。キャリア形成をしていく上では、どの対象とのコミュニケーションも重要なものです。

 それでは会社において、キャリア形成に向けた効果的なコミュニケーションは行われているのでしょうか。実際の職場を見てみると、普段の仕事や数ヶ月単位の計画をすり合わせることに多くの時間を割いてしまい、キャリアについて話をする機会はあまり無いのではないでしょうか。会社としては社員本人がどのようなキャリアを望んでいるのかを聞き出し、社員に対してどのような期待をしているのかを話すことがキャリア形成において重要な働きを担っています。実際に話をするのは上司や人事部長になりますが、「社員」対「会社」のコミュニケーションを機能させていくことが望まれます。


 これから新年度を迎え、会社方針発表会などを催す企業も多いと思いますが、こうした機会においても、社員自身がキャリアについて考え、会社と社員との方向性をすり合わせることが重要になってきます。また、社員の給与改定に伴う面談などにおいても、社員に対する動機づけを行い、将来のキャリアビジョンについて考えるなどキャリア形成の後押しが求められるでしょう。それでは次回は「ロールモデル」についてお話してみたいと思います。お楽しみ。



関連blog記事
2006年10月28日「キャリアは誰のものか」
https://roumu.com
/archives/50774505.html


(福間みゆき)


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