老齢厚生年金にも拡大された年金の繰下げ支給制度

 昨日は今春の年金制度の改正の中から、在職老齢年金の適用拡大について取り上げました。今回はそれに引き続き、老齢厚生年金の繰下げ支給制度についてみてみましょう。


 年金の繰下げ支給制度とは、受給できる年金を申し出を行うことにより受け取らず、受給開始時期を遅らせるものです。これまでこの制度は老齢基礎年金にのみ適用されていましたが、平成19年4月より老齢厚生年金についても対象が拡大されました。具体的な対象者は、平成19年4月1日以後に「65歳からの老齢厚生年金」を受けることができることとなった方で、その日から1年以内に老齢厚生年金の請求をしていない方となっています。この制度を利用することで、受け取らない期間に応じた増加率が将来に加算されることになります。


 徐々にではありますが、66歳以降も継続勤務をする方が増加してきています。年金を受給せずとも安定した生活が送れる方にとっては、この繰下げ制度を利用し、将来の年金額を増加するという方法も選択肢の一つとして考えられるでしょう。



関連blog記事
2007年4月3日「4月から70歳以上の方にも在職老齢年金の適用が拡大されています」
https://roumu.com
/archives/50933810.html


参考リンク
社会保険庁「平成19年4月1日から、年金制度の一部が変わります。」
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/n2007/index.htm
社会保険庁「平成19年4月より厚生年金保険の新しい仕組みが始まります。」
http://www.sia.go.jp/infom/pamph/dl/1904seido.pdf
社会保険庁「現行の年金制度の仕組み」
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/index.htm


(宮武貴美)


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