[平成19年雇用保険改正]雇用保険の受給資格要件変更

[平成19年雇用保険改正]雇用保険の受給資格要件変更 以前、当ブログでも連日取り上げた雇用保険法の改正。雇用保険料率の見直しは成立時期の遅れにより、実務担当者に大きな影響を与えていますが、今回の改正にはこの他にも10月から施行される内容がありますので、今日から3回に渡り取り上げましょう。1回目は雇用保険の受給資格要件変更についてです。


[質問]
 雇用保険法改正により、10月から失業したときにもらえる基本手当が受給しにくくなると聞きました。これは本当ですか。


[回答]
 今回の改正では、雇用保険の受給資格要件が変更になっています。ポイントは以下の2点です。
被保険者資格の一本化
 これまで週所定労働時間により被保険者区分が「短時間労働被保険者」と「一般被保険者」の2つに分かれていました。今回、この被保険者区分がなくなり、一般被保険者として一本化されることになりました。


受給資格要件の一本化
 これまで基本手当を受給するためには、一般被保険者で6ヶ月(各月14日以上)、短時間労働被保険者では12ヶ月(各月11日以上)の被保険者期間が必要でした。これが1ととも原則12ヶ月(各月11日以上)に変更になります。なお、倒産・解雇等により失業した被保険者は6ヶ月(各月11日以上)が必要とされています。


 改正により一般被保険者にとってはより長い被保険者期間が必要になります。従って、これまで6ヶ月継続勤務すれば基本手当の受給が可能でしたが、改正後は1年以上の勤務が必要になるという点では、受給しにくくなったと判断できるでしょう。


[まとめ]
 基本手当が受給できるか否かは失業者にとって重大な問題と言えます。離職証明書の発行を求められたときは、受給できるかを確認し、事前に退職者に説明をすることが望まれるでしょう。なお、今回の改正は原則として10月1日以降に退職した被保険者が対象となります。



関連blog記事
2007年4月23日「[確報]厚生労働省より年度更新納付期限延長(6月11日)が正式発表」
https://roumu.com
/archives/50952091.html

2007年4月20日「改正雇用保険法成立に伴う新雇用保険料率」
https://roumu.com
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参考リンク
厚生労働省「雇用保険法が変わります!~雇用保険被保険者のみなさまへ」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/02.pdf
厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成19年法律第30号)の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/01.pdf


(宮武貴美)


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