2007年9月の「人事労務のお仕事カレンダー」

 人事労務の実務をしていると毎月「今月はルーチン業務以外になにをしないといけないかな?」と悩むことがあるはずです。そこの当ブログで、今月から毎月1日に「人事労務のお仕事カレンダー」をご案内していきたいと思います。その月に必要な法的手続きや届出、人事労務管理をしていく上で押さえておきたいなタスクなどを取り上げていきます。是非ご活用ください。


 9月は人事労務に携わるみなさんにとっては、1年の中でもっとも落ち着いた時期ではないでしょうか。比較的大きなものと言えば、新卒高校生の選考が16日に解禁されます。今年は多くの企業が高卒の採用枠を増やしているようですので、採用担当のみなさんはこれから苦悩の日々が始まるのかも知れません。一方、9月は連休が立て続けにあるため、20日払や25日払の会社では給与計算の期間がタイトとなっています。早めに準備をしておくことが、ミスを防ぐ上でもポイントになるでしょう。



[9月の主たる業務]

9月10日(月)一括有期事業開始届(建設業)届出
主な対象事業:概算保険料160万円未満でかつ請負金額が1億9000万円未満の工事
参考リンク:兵庫労働局「一括される有期事業を始めたとき」
http://hyougo-roudoukyoku.go.jp/seido/roudou_hoken/B/hajimetatoki.htm


9月10日(月)8月分の源泉所得税、住民税特別徴収税の支払
参考リンク:国税庁「源泉所得税の納付期限と納期の特例」
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2505.htm


9月16日(日)新卒高校生の採用選考・内定開始
参考リンク:社団法人全国求人情報協会「新卒高校生を募集するとき」
http://www.zenkyukyo.or.jp/a-jij/kisochishiki/kiso_18.html


10月1日(月)8月分の健康保険料、厚生年金保険料の支払
※本来は9月末日だが、今月は日曜日のため、10月1日となる。
参考リンク:社会保険庁「費用の負担」
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/iryo12.htm#2





[トピックス ]

平成19年9月分(10月納付分)から厚生年金保険の保険料率が改定
 今月分から厚生年金保険料が変更になり、0.354%引き上げられ14.996%となります。変更後の保険料は「平成19年9月分(10月納付分)から、平成20年8月分(9月納付分)まで」適用されますので、控除間違いのないように注意が必要です。
参考リンク:社会保険庁「政府管掌健康保険と厚生年金保険の保険料額表」
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/iryo17.htm


社会保険料 定時決定結果の反映(平成19年9月より)
 7月に提出された算定基礎届などに基づいて、9月からは新たに定時決定された標準報酬月額を使用することになります。新しい標準報酬月額に基づいた保険料は、9月分(10月末納付)からです。※社員からの社会保険料控除(翌月控除、当月控除)については各社の取り扱いをご確認ください。



[今月のアクション]

雇用保険の受給資格要件の変更の社員告知
 10月1日以降に離職された方から対象とし、これまでの週所定労働時間による被保険者区分(短時間労働者以外の一般被保険者/短時間被保険者)をなくし、基本手当の受給資格要件が一本化されます。これにより、基本手当を受給するためには、原則12月(各月11日以上)の被保険者期間が必要になります。実務担当者の方は、来月1日以降に退職する場合、被保険者期間が12月(各月11日以上)でなければ基本手当が受給できないということを早めに周知しておくべきでしょう。※倒産・解雇等により離職された方は、6月(各月11日以上)が必要です。
参考リンク:厚生労働省「平成19年度雇用保険制度改正関連資料」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/index.html


教育訓練給付の変更の社員周知
 10月1日より、教育訓練給付の要件・内容が変わります。これにより被保険者期間が5年以上の者については費用の4割(上限20万円)の給付が、費用の2割(上限10万円)にまで給付額が引下げとなります。よって社員に対し今月中に受講を開始した方がメリットのあることを周知させ、社員の自己啓発を促す機会としたいものです。
関連blog記事:2007年08月24日「[平成19年雇用保険改正]周知を忘れずに!10月の教育訓練給付の要件等変更」
https://roumu.com
/archives/51050934.html


内定式の準備
 日本経団連の倫理憲章に基づき、新卒者の正式な採用内定を10月1日とし、当日に内定式を予定されている企業も多いことでしょう。よって9月の早い時点で当日のスケジュールを検討し、内定者に通知を行うことが求められます。遠方から参加する学生については、宿の手配も必要になりますし、内定通知書の授与を行う場合はその準備、研修を行う場合は講師への依頼や資料の準備などがあります。是非とも、この内定式を交流の図れる機会としたいものです。
参考リンク:日本経団連「2007年度・新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/070.html



参考リンク
社会保険庁「平成17年9月分から厚生年金保険の保険料率が改定されます」
http://www.sia.go.jp/topics/2005/n0816.htm



(福間みゆき)


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