裁判員制度の取扱いを既に決めている企業はわずか6.9%

裁判員制度の取扱いを既に決めている企業はわずか6.9% 先日、財団法人労務行政研究所から「裁判員制度に向けた企業の対応状況」の結果が発表されました。今日はこの内容を取り上げてみましょう。


 この裁判員制度に関する休暇等の取扱いについては今後の就業規則整備における大きなポイントとなると予想されていますが、今回のアンケートを見ると、裁判員の選任、裁判参加に伴う休務時間(期間)の取り扱いを「すでに決めている」企業はわずか6.9%、「未決定だが方針はほぼ決まっている企業」は11.8%と両者を合わせても2割弱の低い水準(グラフはクリックして拡大)にとどまっています。この2割弱の企業における具体的な制度取り扱いは、約9割の企業が「既存の(労働基準法第7条に基づく)『公務のための休暇あるいは特別休暇制度』を準用」すると回答しており、賃金の取り扱いでは、「通常勤務時と同様に有給扱いとする」企業が59.3%を占めています。まだまだ一部の先行企業の動向ではありますが、これまでのところは有給扱いという傾向が強く見られるようです。


 裁判員制度は平成21年度に実施が予定されるものであるため、まだまだ検討する時間はありますが、このようなアンケート結果を参考に早めに検討を行うことが望まれます


[参考条文]
労働基準法 第7条(公民権行使の保障)
 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。



関連blog記事
2007年08月31日「平成21年度スタートの裁判員制度に対応する就業規則等の見直し」
https://roumu.com
/archives/51056431.html


参考リンク
労務行政研究所「裁判員制度に向けた企業の対応状況」
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/3219


(宮武貴美)


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