加入者数が中退共に迫る確定拠出年金の運用状況
適年廃止問題の影響もあり、確定拠出年金の導入が多くの企業で進められています。厚生労働省の発表によれば、平成19年11月30日現在の企業型年金の実施事業主数は9,567社となり、10,000社到達が見えてきました。また加入者数も(こちらは10月末時点のデータとなりますが)約262万人となり、中退共の加入従業員数である292万人に迫ってきました。このように本格的な普及期に入ったと言っても過言ではない確定拠出年金ですが、先日、企業年金連合会より第2回の「確定拠出年金に関する実態調査」の調査結果が発表されました。
この調査は今年の9月に確定拠出年金の2,376の規約を対象に実施されたもので、有効回答は713規約(回答率30.0%)という確定拠出年金の調査では最大のものとなっています。本日はその事業主調査編の中からポイントとなる事項をピックアップしてご紹介しましょう。
確定拠出年金(以下「DC制度」)の設立方法は、従前の制度をDCに資産移換し設立した規約が全体の75.1%。そのうち、60.2%は適格退職年金からの移換。
他制度の併用状況は、DCのみが37.6%、DC+1制度が45.4%、それ以上が16.3%と、他制度との併用が主流。
DC制度への加入選択制を設け、従業員が任意に選択させているのは31.4%。なお、選択制がある場合のDC選択率は平均74.2%。
DC掛金と前払い額との割合を、従業員が任意で変更できる制度を導入しているのは13.1%。
短期加入者について掛金の事業主返還規定を設けているのは64.4%。
掛金の算定方法について、職種・資格・等級によって掛金額を段階的に設定する方法を採用しているのが45.5%。
想定利回りの平均は2.34%。
継続教育の実施率は40.9%。
従業員の運用状況について、投資信託等の運用比率は掛金ベースで48.74%。
非常に具体的な内容で、現在のDCの制度運用状況がよく分かる内容となっていますので、関心のある方は是非実際の調査結果をご覧下さい。また今後、DCの設計を行う際の参考にもなると思います。
関連blog記事
2007年4月12日「導入例が急増する規約型DBと企業型DC」
https://roumu.com
/archives/50942249.html
参考リンク
企業年金連合会「「確定拠出年金に関する実態調査」調査結果」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/dc_chosa_kekka.html
厚生労働省「確定拠出年金の施行状況について(平成19年11月30日現在)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html
中退共「事業の概要(19年10月末現在)」
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/seido/seido01.html#jigyou
(大津章敬)
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