導入例が急増する規約型DBと企業型DC
昨日、企業年金連合会より「平成19年4月1日現在の企業年金の現況」および直近12ヶ月の企業年金の推移データが公表されました。これによれば平成19年3月1日時点の確定給付企業年金は合計で1,943件で、うち基金型が606件、規約型が1,337件、また企業型の確定拠出年金の規約数は平成19年2月28日現在で2,241件となっています。左のグラフは直近12ヶ月の各制度の件数の伸びを示したものですが、ここに来て、規約型の確定給付企業年金(DB)と企業型の確定拠出年金(DC)の導入が急速に進められていることが分かります。規約型DBはこの12ヶ月で831件が1,337件と506件(プラス61%)の大幅増。また企業型DCの規約数も1,729件が2,241件と512件(プラス30%)の増加となっています。
昨日、平成19年度の中退共は付加退職金の支給がなくなったことをお伝えしましたが、中退共の運用低迷による商品力の低さもあり、企業年金改革の選択肢は徐々にDBとDCが中心になってきている印象を受けています。事実、弊社のコンサルティングにおいても同様の傾向が出ており、ここ1年は中退共よりもDB(キャッシュバランスプラン含む)やDCの導入件数が上回っており、(中退共に加入できない中堅企業が本腰を入れ始めたということを差し引いても)大きな流れが変わりつつあるのではないでしょうか。
関連blog記事
2007年4月11日「平成19年度 中退共の付加退職金はゼロ」
https://roumu.com
/archives/50936186.html
2007年1月29日「企業年金の2006年10月~12月の運用はプラス3.61%」
https://roumu.com
/archives/50870862.html
2007年1月24日「2005年度の企業年金 修正総合利回りは過去最高の19.16%」
https://roumu.com
/archives/50867872.html
参考リンク
企業年金連合会「平成19年4月1日現在の企業年金の現況」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/genkyo.pdf
企業年金連合会「企業年金の推移」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/genkyo-data.html
(大津章敬)
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